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おかんおかん

SNS、今、世の中でどのSNSも使っていないという人はほとんどいないかも。

わたしは時間をとられてしまうから、そんなに利用していないけど、今後ますます需要は増えていく気がするな。

SNSは、実際に社会的なムーブメントを巻き起こしたり、同じ趣味を持つ人々とのつながりを広げたり、いろんなポジティブな使い方ができる。その一方で、誹謗中傷に利用されたり、詐欺やトラブルに巻き込まれたり、というネガティブな点も指摘されている。

今回は、どちらかと言えば、SNSのマイナス面に焦点を当てた作品を多く紹介している。

でも、どれも、今の時代にぜひ見ておくべき映画だ。とはいえ、説教臭くはなく、ハラハラドキドキしたり、共感したり、とさまざまな感情を味わいながら楽しめる作品も入れてセレクトしてみた。

「ディス/コネクト」-つながる「怖さ」

SNSで起きた嫌がらせが原因で、自殺未遂を起こし意識不明の少年。父親は息子の自殺の原因が全く分からない。

嫌がらせを起こした少年は、父親に愛情を感じることができず、鬱屈した思いを抱えていた。その父親は元刑事で、今はネット専門の探偵。

二組の親子を中心に、つながりを求めインターネットをさまよう人々が、ある事件をきっかけに目の前にいる大切な人と、心と体をぶつけあい絆を取り戻そうとするが...。(Amazonプライムビデオより)

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SNSに端を発して、3つのエピソードが並行して語られている。

その中の1人の少年は、音楽好きで友達のいないオタク。その彼にジェシカという女の子を名乗って、同級生の男の子2人がSNSで接近していく設定だ。

チャットを続けながらジェシカに心を許した少年は、自らの裸の写真を送ってしまい、その写真が学校中にばらまかれて自殺を図る。

いじめはいつの時代にも起こるけれど、オンラインの世界では形を変えて、より陰湿に、より巧妙に、より残酷になっていく。

ちょっとした軽はずみなからかいのつもりが、次第にエスカレートし、オンラインからオフラインへと悲劇が広がっていく恐ろしさ。

そして、子供たちだけではなく、SNSは、夫婦の行き違いから生まれる心の隙間にもふと入り込み、個人情報が暴かれていく。

派手な演出もなく、SNSから引き起こされる悲劇がリアルに描かれていて、最後もすっきりと解決に至らないので、ハッピーエンドを期待する方にはおススメしない 🙁 。

誰でも気軽にコミュニケーションをとり合える便利なツールである一方、人の悪意や企みをストレートに受けがちなツールでもあるSNS、その使い方を今一度考え直してみたくなる秀作だ。

「Search/サーチ」-話題騒然のデスクトップ・サスペンス

こつ然と姿を消した16歳の女子高生マーゴット。行方不明事件として捜査が始まる。

家出なのか、誘拐なのかわからないまま37時間が経過。娘の無事を信じる父デビッドは、彼女のPCにログインしSNSにアクセスを試みる。

インスタグラム、フェイスブック、ツイッター...。そこに映し出されたのは、いつも明るく活発だったはずのマーゴットとはまるで別人の、自分の知らない娘の姿があった...。(Amazonプライムビデオより)

映像のほぼ全編が、スマホ画面やPC画面またはTV画面上で進んでいくという試みが、まさに現代的で革新的だ。そして、それが奇妙な緊迫感を感じさせる。映画祭でも、この手法に話題騒然となったそうだ。

Twitter、Facebook、Instagramなどなど、ふだん私たちが使っているツールが次々と現れるので、臨場感がハンパなく生々しい。

このような作品は「デスクトップ・サスペンス」と呼ばれているらしい。

ただ、本作品は奇をてらった手法で目を引くものではなく、事件は二転三転と展開していき、最後まで結末が予想できず、サスペンスとしても実によくできている。全ての伏線がラストに回収されるので気持ちイイ。

家族愛も描き出されており、特に、子供を持つ親に見てもらいたいなと思う映画だ。

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「ザ・サークル」-巨大SNS企業の闇

世界No.1のシェアを誇る超巨大SNS企業(サークル)。

憧れの企業に採用され、奮起する新人のメイ(エマ・ワトソン)は、ある事件をきっかけに、創始者でありカリスマ経営者のイーモン(トム・ハンクス)の目に留まり、自らの24時間をすべて公開するという新サービス(シーチェンジ)のモデルケースに抜擢される。

瞬く間に1000万人超のフォロワーを得て、アイドル的な存在になるのだが...。(Amazonプライムビデオより)

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エマ・ワトソンとトム・ハンクスの競演というだけで見たい!と思うだろう。

ハリーポッターのハーマイオニーの印象が強いエマ・ワトソンも、女性の権利についての活動にも力を入れるなど、インテリ女優として、こうした意識高い系?の作品に多く出るようになってきた。

多くの人々が、ツイッター、フェイスブック、インスタグラムなどなどのSNSを日常的に使っている現代。

個人情報やプライバシーの侵害と、有益な情報共有とをどのようにバランスをとればいいのか、巨大IT企業の持つビッグデータはどのように生かされるべきなのか、といった様々な問題が投げかけられる。

コロナの時代に突入して、私たちは身の安全を守るためにも、公と私とのトレードオフの問題を真剣に考えざるを得なくなった。

映画自体は原作と違って、さほど難しくなくエンターテイメント色が強いので、最後まで飽きずに楽しめるかな。

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「何者」-就活生とSNSと

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。

瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。

だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……(Amazon co.jpより)。

この作品は、コチラ↓でもレビュー済み。

朝井リョウが直木賞を受賞して、話題となった作品の映画化。

原作を読まずに映画を先に見たところ、佐藤健を主役に、菅田将暉、有村架純、二階堂ふみと当代きっての人気者たちを集めて、就活をテーマに、恋愛からみの青春ドラマかと思っていたが、予測は全くくつがえされた。

「就活生の心の闇」や「裏アカ」などのネガティブワード満載で、ラストにいたるまで心がチクチク痛むなかなかシビアな内容だった。実際の就活生ならなおのこと、共感を覚えるシーンがたくさんあっただろう。

ただ、この映画は単に、「何者」にもなりきれないアイデンティティクライシスに陥る若者たちの、出口のない苦しさを描いたものとは言い切れない。

現代のコミュケーションの希薄さは、若者世代に限ったものではない気がする。

また、わたしのような50代の女性にも、精一杯背伸びして自分を大きく見せようとする気持ちはよく分かる。しかし、本当の自分は決して隠し通すことができず、自分を飾りながらも、逆に素の自分をさらけ出してしまうのがSNSの怖さだ。

原作もぜひ読んでもらいたい。

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「ソーシャル・ネットワーク」-Facebookの生みの親

2003年、ハーバード大学に通う19歳の学生マーク・ザッカーバーグは、親友のエドゥアルド・サヴェリンと共にある計画を立てる。それは友達を増やすため、大学内の出来事を自由に語り合えるサイトを作ろうというもの。

そんな若者らしい動機から始まった彼らの小さな計画は、いつしか大きな潮流のただなかへと彼らを導く。

一躍時代の寵児となった彼らは若くして億万長者へとなりあがっていくのだが、最初の理想とはかけ離れた孤独な場所にいる自分たちに気づく...。

最後は、言わずと知れたFacebookの生みの親、マーク・ザッカーバーグを描いたノンフィクション的作品を紹介したい。

本作品は、Facebookの立ち上げから成功を描いた回想シーンと、Facebookをめぐる現在の訴訟シーンとが、代わる代わる描かれている。

個人的には、マーク・ザッカーバーグの天才ぶりと、コンピュータオタクぶり、エリート集団のハーバード大学の内幕などを扱った回想シーンが興味深く、面白い。

「自分をバカにした女子学生を見返したい」という実に分かりやすくも、強いモチベーションがFacebookを生み出したのだ。

ビジネス界の成功者というよりも、Facebookを追求していく中で、一人の男性として様々な困難や葛藤に苦しむマーク・ザッカーバーグの姿に引き込まれていく。

ただ、さすがに映画の尺の中では、知りたい部分が簡略化されてしまっているので、原作も読んでみたい。

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まとめ

さて、興味を持っていただけた作品はあっただろうか。

これを機に、自分のSNSの使い方ももう一度考え直してみるきっかけになれば幸い。

特にわたしのお気に入りは「search/サーチ」。革新的な手法と、先の見えない展開の面白さに、まさしく息もつかずに一気見したよ。

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