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「シンギュラリティ」の行先はすべて「オンライン」?

2033年の世界では、死が目前にしまった人々は、6つのテクノロジー企業が経営する仮想現実のホテルに「アップロード」されることが可能となった。
金銭的に余裕のないノラはブルックリンで暮らしながら、贅沢な死後の世界、「レイクビュー」の顧客サービススタッフとして働いている。
ネイサンはロサンゼルスに住むパーティ好きのプログラマーで、彼の自動運転の車が事故を起こした際、彼は自己主張の強いガールフレンドにアップロードされて、仮想現実の世界で永久に過ごすこととなり、ノラと出会う。
(Amazonプライムより)
人間が死後に自分をデジタルの世界に「アップロード」するという近未来の世界を描いたAmazonオリジナルのドラマ。シーズン1は全10話。シーズン1の配信スタートからわずか1週間で、シーズン2の制作が決定された。
近未来といえど、2033年という10数年先のごくごく身近な未来。一瞬は奇想天外な設定に思えつつ、アメリカならGoogle(?)くらいが現実化させるのではないかと想像させるところがキモ。
Amazonオリジナル作品なので、安っぽさがまったくなく、ふんだんにお金をかけて作られているセットや映像も一見の価値あり。
COVID-19以後、友人や恋人同士でも気軽にリアルに会って、触れ合うことが難しくなったり、気兼ねをしたりする想像もしなかった世界が目の前に広がってきた。
オンラインでのつながりがますます増えてくるならば、生きていることと生きていないことや、リアルとバーチャルとの違いはだんだんなくなってくるのかも?
そう思うと、このドラマの設定がもっと楽しくなってくる。
注目ポイントはここ
新鮮なキャスティング
俳優陣は誰もが知る有名どころではないけれど、それが逆に新鮮で、魅力的なキャラクターを作りあげている。
主演のネイサンを演じるのは、「THE FLASH」に出演したロビー・アメル。おバカなイケメンを表情豊かに見事に演じきっている。
でも、注目なのは、何と言っても相手役のノラ役のアンディ・アロー。彼女はカメルーン出身で米国/カメルーンの二重国籍。エキゾチックな美貌がショートカットのキュートさとあいまって、一気に魅力に引き込まれる。
そして、実はシンガーソングライターとして有名で、プリンスとのコラボで注目を浴びたことも。今後も大注目の女優さんだ。

SF ?ホラー?コメディ?
ジャンルとしては設定上、当然SFに分類されそうなところだが、そう簡単に決められないのもこの作品の魅力の1つ。
それアリ?とツッコミどころも多く、アメリカらしいノリやギャグもふんだんに盛り込まれていてドタバタコメディとしても楽しめる。
ノラとネイサン、そしてネイサンの富豪婚約者の、生と死の世界を超えた恋愛の三角関係も面白い。現実世界とデジタル世界の間の、人間関係を含む様々なトラブルは、新鮮でありながら妙にリアリスティック。
セックススーツやVRでの性交渉などはもう現実化間近だろう。
アイデアとコンセプトが詰め込まれ過ぎていて、まとまりに欠け、テーマが分かりにくいという点で賛否両論ありそうだけど、シーズン2からどんな風に展開していくのかがすごく楽しみだ。
死後も貧富は二極化😿
上にも書いたように、このドラマの面白さは、虚構とリアルが巧みに合わさっているところ。
ネイサンはお金持ちのガールフレンドのおかげで、アップロードされた死後の世界もホライゾン社の経営する高級仮想リゾートのレイクビューで過ごしている。一方のノラは、ホライゾン社でカスタマーサービスを担当しているボンビーガール。
とはいえ、レイクビューでも最下層に住む人たちは「2ギガ(笑)」と呼ばれ、ブチブチ接触がとだえる中で、十分なサービスを受けられない。
また、あの世でも課金は通常で、いろんな広告マーケティングにさらされる。
「地獄の沙汰も金次第」とはよく言ったものだ。

皆さまはこの世界観にハマれるかな?
わたしはシーズン1、あっという間に一気見。