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悲しい「母たち」のミステリー

 

今回は、日本と韓国のおすすめ映画を一本ずつ紹介したい。

 

おかんおかん

共通するのは、女が女の子を誘拐するという設定。

でも、営利誘拐でもなく、可愛かったからという単純な理由でもなく。

サスペンス調だけど、両作品とも切り口は違っても、「母性」という普遍的なテーマを描いてるんだよね。

 

 

 

母親でないわたしでも、子供に向けた「母性」を理解できるシーンが多かった。母親ならさらに登場人物の心理を自分に置き換えて深く共感できるはずだ。

 

「八日目の蝉」-角田光代のベストセラー

キャッチコピーは、なぜ、誘拐したの? なぜ、私だったの?

 

八日目の蝉
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今日まで母親だと思っていた人は、自分を誘拐した犯人だった。21年前に起こったある誘拐事件ー。

不実な男を愛し、子を宿すが、母となることがかなわない絶望の中で、男と妻の間に生まれた赤ん坊を連れ去った女、野々宮希和子と、その誘拐犯に愛情いっぱいに育てられた女、秋山恵里菜。

実の両親の元に戻っても、「ふつう」の生活は望めず、心を閉ざしたまま成長した恵里菜は、ある日自分が妊娠していることに気づく。

相手は、希和子と同じ、家庭を持つ男だった。封印していた過去と向き合い、かつて希和子と暮らした小豆島へと向かった恵里菜が見つけた衝撃の真実。そして、恵里菜の下した決断とは...。

 

原作は、角田光代の同名の小説「八日目の蝉」。彼女の作品は何本もドラマ化/映画化されており、宮沢りえ主演の「紙の月」や柴咲コウ主演の「坂の途中の家」も名作。またの機会にぜひ紹介したい。

 

 

「八日目の蝉」は、NHKでドラマ化もされているけれど、圧倒的に映画版がおススメ。映画観客動員ランキングで初登場5位となり、第35回日本アカデミー賞で10冠を達成した。

 

不倫相手の子供を誘拐した希和子(永作博美)の3年半にわたる逃亡劇(第1章)と、誘拐事件が解決した後、大人になった子供の恵理菜(井上真央)がたどる運命(第2章)から成る構成だ。

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井上真央は「花より男子」の明るいキャラで一躍人気者となったけれど、「白ゆき姫殺人事件」のように、ちょっと根暗で屈折した女性を演じさせるとぴったりはまり、演技力の高さが際立つ。この作品も、数奇な運命のもとで翻弄される女性の複雑な心理描写をたくみに演じている。

 

恵理菜の前に現れるルポライターを演じた小池栄子の存在感もすごい。二人とも地上波ドラマにはさほど出てこないのだけれど、息の長い女優さんとして今後もいろいろな作品に出てほしいと思う。二人が女優として開眼したとも言えるのがこの作品じゃないだろうか。

 

作品中では、母娘の関係だけでなく、家族や愛情というごく身近で日常的なエピソードが描かれている。ロケ地の小豆島の情緒あふれる雰囲気もいい。やはり逃亡先は離島がいいな(笑)。

「女は冷たい嘘をつく」ー女性監督が描く女たち

正体不明の中国人ベビーシッターと、娘を連れ去られたシングルマザーとが繰り広げる5日間の追跡劇。

 

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娘の親権を巡り元夫と調停中のシングルマザー、ジソンは一人で娘を育てるために住み込みベビーシッターのハンメに世話を任せ、朝から深夜まで仕事に追われる生活を送っていた。

そんなある日、突然ハンメと娘が跡形もなく姿を消してしまう。

 

中国人のベビーシッターを演じたコン・ヒョジンは、韓国では「ラブコメクイーン」と呼ばれているらしいが、この映画ではまったくそのイメージはない。本当に難しい役柄だと思うけど、素朴な中国娘と、変化していくその後の姿を見事に演じ分けている。

 

アカデミー賞を受賞した「パラサイト 半地下の家族」のように、韓国映画は格差や不平等という現代的なテーマを、飽きさせたり堅苦しくなりすぎたりすることなく盛り込むのが本当にうまい。この作品も、サスペンスでありながら社会的な問題提起も含んでいる。

 

ただ、この邦題「女は冷たい嘘をつく」はどうかな? ちょっと本筋からずれているかも。

 

グローバル化が進んでいく中で、日本でもこうした多民族のかかわる事件が増えていく気がしている。その点でも興味深い映画だった。

 

おかんおかん

誘拐はもちろん犯罪だけど、どちらも、女性の悲しみがまず一番に伝わってくる作品だった。

「女は冷たい嘘をつく」はさすが女性監督という感じ。

 

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