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黒川博行を追いかけろw!

最初に彼女の作品を読んだときの印象は「黒川博行っぽいかも!」(の東京版)

大好きな黒川博行の「厄病神シリーズ」や「堀内・伊達シリーズ」のように、出てくる刑事や登場人物が実にキャラ立ちしているのだ。

これを女性が描いているのだからすごい才能が現れた、と感じた。同世代の作家というのもなんだか嬉しい。小説としてはまだ4作品しか出版されていないが、今後も長く活躍すると予想される作家だと思う。

相棒で書いた作品は?

おかんおかん

太田愛さん、新作出ないかな~と待ちわびてる作家のひとり。

たぶんどの作品かは、ドラマ化か映画化されそうと思ってたら、『相棒』の脚本も書いてたのね、納得。

ちなみに「相棒」は現在シーズン14~Amazonプライム会員特典で視聴可。一気見できるよ。

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上で紹介したように、太田愛は「相棒」にシーズン8から参加。シーズン10~12、16、17では元日スペシャルを担当。

ファンの間で評価の高いシーズン16の元旦スペシャル「サクラ」は彼女の脚本だ。

  • シーズン8:#2「さよならバードランド」、#3「ミス・グリーンの秘密」、#11「願い」、#14「堕ちた偶像」
  • シーズン9:#3「最後のアトリエ」、#5「運命の女性」、#13「通報者」
  • シーズン10:#3「晩夏」、#10「ピエロ」(元日スペシャル)
  • シーズン11: #3「ゴールデン・ボーイ」、#11「アリス」(元日スペシャル)
  • シーズン12:#10「ボマー」(元日スペシャル)
  • シーズン13:#8「幸運の行方」、#14「アザミ」
  • シーズン15 :#13「声なき者~籠城」、#14「声なき者~突入」
  • シーズン16 : #3「銀婚式」、#10「サクラ」(元日スペシャル)、#15「事故物件」
  • シーズン17:#10「ディーバ」(元日スペシャル)、#18「漂流少年〜月本幸子の覚悟」、#19「漂流少年〜月本幸子の決断」
おかんおかん

みなさまのお気に入りエピソードは見つかったかな?

ついでに、「TRICK2」のエピソード3(第6話、第7話)「サイ・トレイラー」も。

どれから読むべき?

本来は順番通り、デビュー作の「犯罪者」から読むべきかもしれないけれど、上下巻とともかく長い。

まずは一作読んでみたいという方には「幻夏」がおススメ。

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「犯罪者」の主要な登場人物の元テレビマンでライターの鑓水七雄(やりみずななお)、その友人で警察官の相馬亮介(そうまりょうすけ)、二人に命を救われた若者、繁藤修司(しげとうしゅうじ)が歳を重ねてこの「幻夏」にも登場する。彼らの掛け合いも大きな魅力となっている。

したがって、登場人物の関係性を楽しむのなら「犯罪者」からとなるが、「幻夏」は独立した作品としても十分に楽しめる。

「俺の父親、ヒトゴロシなんだ」毎日が黄金に輝いていたあの夏、同級生に何が起こったのか――少女失踪事件を捜査する刑事・相馬は、現場で奇妙な印を発見し、23年前の苦い記憶を蘇らせる。

台風一過の翌日、川岸にランドセルを置いたまま、親友だった同級生は消えた。流木に不思議な印を残して……。

少年はどこに消えたのか? 印の意味は? やがて相馬の前に恐るべき罪が浮上してくる。司法の信を問う傑作ミステリー。日本推理作家協会賞候補作。

推理小説なのでネタバレになるため詳細は割愛するが、今回のテーマは「冤罪」だ。

デビュー作の「犯罪者」では企業の隠蔽がテーマとなっている。このように常に大きく重いテーマにメスを入れているのだが、けっして硬い描写ではなく、謎解きやスリルを楽しませつつ、わたしたちに問題提起してくれる。

ちなみに、途中で登場人物の一人が姿を消し、隠遁生活の中でどのように生活の糧を得ていたのかという話になる。たまに入る技術翻訳の原稿料が収入源だったようだ。

確かにわたしのこの仕事、点々と全国を回りながら仕事を受けることが可能と言えば可能。日本のエージェントだけでなく海外のエージェントが相手ならさらに自由度が高いかも?翻訳者は意外とドラマや小説のわき役として登場するのである(笑)。

最新作の「天上の葦」では、その鑓水の過去があらわにされる。

白昼、老人が渋谷のスクランブル交差点で何もない空を指さして絶命した。正光秀雄96歳。死の間際、正光はあの空に何を見ていたのか。それを突き止めれば一千万円の報酬を支払う。

興信所を営む鑓水と修司のもとに不可解な依頼が舞い込む。そして老人が死んだ同じ日、ひとりの公安警察官が忽然と姿を消した。

その捜索を極秘裏に命じられる停職中の刑事・相馬。廃屋に残された夥しい血痕、老人のポケットから見つかった大手テレビ局社長の名刺、遠い過去から届いた一枚の葉書、そして闇の中の孔雀……。二つの事件がひとつに結ばれた先には、社会を一変させる犯罪が仕組まれていた!? 

鑓水、修司、相馬の三人が最大の謎に挑む。

これまた上下にわたる、実に読みごたえのある巨編。鑓水シリーズが今後続くかどうかはわからないが、作者が渾身の思いを込めて書ききった感があるので、もしかしてこれでエンド?

クオリティも前の2作よりもさらに進化している。太平洋戦争の頃からの歴史が盛り込まれており、老若男女を問わず、興味深い作品に仕上がっている。

次作が大きく期待される作家の一人だ。大化けしそうな予感。

おかんおかん

一気に読み切ってしまって、寝不足になったわ。