「女医フォスター夫の情事、わたしの決断」－英国不倫ドラマがリアルで怖い！［Amazonプライム／huluおすすめ］

いずこも同じか、イギリスのドロドロ不倫の果ては．．．

こちらの「女医フォスター　夫の情事、わたしの決断」はただいまシーズン１が「Amazonプライム会員特典」で視聴可。「hulu」でも見放題。

でも、一言で不倫ドラマと言っても様々。

美しい俳優や女優が演じるせいか、画面が美しく、うっとりと羨望すら感じさせるものもある。もしくは、夫婦や愛人のドタバタをコメディとして、またはホラーのようなスリルとして楽しむタイプのものもある。

ちなみに、英国では、ウィリアム・コングリーヴの戯曲から来た、次のようなことわざがある。

Hell hath no fury like a woman scorned.

さげすまれた女ほど怒り狂うものは地獄にもいない（振られた女の恨みは怖い）。

最近も芸能界で不倫騒動が収束の気配なし。幸せな結末にはほぼ至らないことが分かっていてもやめられないものなのだな( ；∀；)。

シーズン１ー夫の裏切りを知ったとき妻は・・・

いや、英国の不倫ドラマは、想像したよりドロドロだった。

英国アカデミー賞主演女優賞受賞、ミニシリーズ部門作品賞ノミネート!最高視聴者数1000万人!

有能な医師であるジェマ・フォスターは、夫のサイモンと1人息子のトムと共に充実した日々を送っていた。しかしあることがきっかけで、夫に秘密があるのではとの疑念を抱く。

誤解だと思い直すも、不安はぬぐえない。ジェマは、何としても真相を突き止めようと、患者の1人カーリーに協力を頼む。

こうして少しずつ彼女の生活は狂っていき、サイモンの40歳を祝う誕生パーティが始まる直前、衝撃の事実が判明する・・・・・・。

「女医フォスター」の話に入る前に、最強の不倫映画と言われ、もはや殿堂入りの感がある「危険な情事」について一言。不倫願望のある人は一度見ておいた方がいい。危ない橋を渡ろうとしている人は、思いとどまるきっかけになるかも。

「危険な情事」のグレン・クロースの狂気じみた演技はすごかった。だが、サランヌ・ジョーンズという女優さんはこれまで拝見したことがなかったが、それに匹敵するほどの名演技だ。

とりててて美人ではないところ（失礼！）がよりリアリティがあり、プライドの高いデキる女医ジェマを見事に演じきっている。

クズな夫は当然のこと、愛人も、友人も、同僚も、息子も、そしてジェマ自身も、出てくる人それぞれ一癖ある人物で、誰にも共感しにくい。だからこそかえって人間臭さを感じる。誰もみな普通の人間で、弱さと自分可愛さから逃げられないのだ。

ネタバレは避けておくが、スッキリとした最後ではないものの、救いも見られるエンディング。ところが・・・。

シーズン２－未練なのか憎しみなのか

舞台は、ジェマの離婚から2年が経過した時点から始まる。

ジェマがサイモンと離婚して2年。突然、ロンドンで暮らしていたサイモンからパーミンスターに戻るという知らせと結婚パーティーの招待状が息子のトム宛てに届いた。

ジェマにはメールで新住所を知らせてきただけだ。翌日、ジェマはその住所へ車を走らせた。2年前に破産しかけた人のものとは思えない豪邸を見て愕然とするジェマ。

ケイトの父の援助を受け町に戻ったサイモンはジェマへ復讐しようと、息子のトムを彼女から引き離そうとする。一方、両親のドロ沼バトルに巻き込まれ、トムは精神的に不安定になっていく…。

とっくに解決済み、いや解決済みではなくても2年という歳月がお互いの気持ちを風化させたはずだが、二人のドロドロは終わるどころか、さらにエスカレートしていく。

「腐れ縁」とはまさにこういう夫婦を指すのだろうか。ただ、離婚は二人だけの問題ではなく、巻き込まれた子供の精神もむしばんでいく。そのトラウマを負った息子の描写も痛々しい。その一方で、子供のことを考えて修復を求めつつも、自身のプライドや欲望のせいで、相手を許し、発展的な未来を語り合うこともできない。

話は展開していくが、ジェットコースター的な面白さを追求したドラマではなく、ある意味、二人の復讐が互いの間を行ったり来たりと繰り返され、苦しみと痛みが連鎖する。もういいよ、あきらめて次行こうよ、と何度も思う。ジェマには優しい彼氏が現れるのだが、なぜか夫への執着が止まらない。

シーズン2もグダグダだったか・・・。もしかして、シーズン3に持ち越し？

それでも一気見してしまう魅力があるのが、離婚の「リアル」が描かれているからだろう。最高視聴者数1000万人と大ヒットを飛ばしただけの理由がある。