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サッカーで世界初のビデオ判定(VAR)!
2016年12月14日、世界一のクラブチームを決定するFIFAクラブワールドカップ準決勝、鹿島アントラーズVSアトリチコ・ナシオナル戦で、サッカー史上世界初となるビデオ判定VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が採用された。
ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)って?
VARとは、ピッチ外の映像室にいて、主審を補助する審判(映像審判)のこと。
簡単にまとめると、
映像審判は、「明らかに誤審」だという判定があれば、無線で主審に知らせることができる。主審も必要に応じて映像審判に助言を求めることができる。
主審は、ピッチ横のモニターで問題となっている場面を見直して(オン・フィールド・レビュー)最終的な判定を下す。
という流れである。
適用ケース
この制度はまだテスト段階。国際サッカー評議会(IFAB)が定めている基準は以下のとおり。
・ビデオ・アシスタント・レフェリー(VARs)はピッチ外で試合中常に映像をチェックし、ゴール(それに至るファールやオフサイド・ケースを含む)、PK、直接レッドカード、選手誤認の『試合を変える』4つのケースで副審と同様に主審に助言できる。
・上記ケースに関して主審は必要に応じてVARsに助言を求めることができる。
・主審がすでに判定を行っていた場合、VARsが介入できるのは『明確な誤審』と判断できる場合にのみ。明確な誤審とは、『中立なほぼ全員が判定が間違っていると同意する状況』。VARが明確な誤審では無いと判断した場合はそのまま主審の判定が保持される。
(参考:インプレー中の判定で誤審があったと判断された場合は「プレーが止まって再開するまでは、1つ前のプレーまで戻せる」というルールに従ってその状況までのプレー差し戻しを行う。得点が生まれていた場合は取り消し。著しく不正なファールなどがあった場合のカード判定は保持される)
・主審はVARの助言を受けた後、判定の確認のために自らピッチサイドのモニターで映像を確認できる。使用条件はテスト段階のためにまだ未確定。
(出典:Wikipedia)
一読しただけは何とも分かりにくい。適用時にはかなり混乱が予想されそうだ。
なんと、この歴史的瞬間をライブで目撃することができた!
前半30分、DFの西がペナルティエリア内で倒れた。主審がプレイを止めて映像室の映像審判の助言を求め、PKという判定を下した。スタジアム内の大型ビジョンに「VAR」と大きく文字が映し出され、セットプレー後、西が倒れた映像が流れた。
このときは、VARって??と何が起こったのか分からなかったのだけどビデオ判定が行われていたのだ。問題のプレーからプレーを止めるまで数分のタイムラグがあったせいもあり、スタジアム内もざわめいていた。VARの存在をまだ知らない観客も多かったと思う。
サッカーのビデオ判定の是非は?
Numberの記事「サッカーにビデオ判定は必要か?」でも採り上げられたように、「ジャッジの正確性」と「プレーの流れを楽しむ醍醐味」のいずれを優先するかによって、一般ファンも専門家の間でも意見はいろいろ分かれている。
イタリア代表ファンのわたしが選ぶ今世紀の最大誤審は、2002年の日韓ワールドカップ・ベスト16「韓国vsイタリア」戦。
「審判に負けた・・・」
と唇がちぎれるくらい悔しい思いをしたので、サッカーにもビデオ判定あっていいんじゃないという派。
多くのスポーツでもビデオ判定
以下の競技では、審判が判定しづらかったとき、あるいは審判の判定に異議があるとき、ビデオ映像を見て判定を行うビデオ判定が採用されている。
- バレーボール
- レスリング
- スピードスケート
- 柔道
- ボクシング
- ラグビー
- サッカー
- テニス
- 野球
- 大相撲
- アメリカンフットボール
このように、ビデオ判定は次第に多くの競技で採り入れられるようになっている。テニスのような超高速のボールの微妙なイン/アウトを判定するのは肉眼ではとても無理なので、ビデオ判定は必須ではないだろうか。でもさらに高速の卓球ではビデオ判定がまだ導入されていない不思議。
テスト段階のサッカーのビデオ判定、2018年のワールドカップで導入されるのかどうか注目していきたい。
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