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英国版「プロジェクト・ランウェイ」?

下の記事でも紹介したように、アメリカのデザイナーズバトル「プロジェクト・ランウェイ」が大好き!
ハイディ・クルムとティム・ガンのコンビが何と言っても最高 😀 。
ふと、いつものようにAmazonプライムビデオで何か新しい番組が追加されていないかな~とチェックしていたところ、「ソーイング・ビー」というタイトルが目についた。
これって、もしかして英国版「プロジェクト・ランウェイ」?いやいやまるで別物?それは後で触れていくにして、ともかく面白い!お家にいる時間が増えていくこの頃、裁縫ってまさに料理と並んで、生活にもそのまま活かせる最高の趣味かもね。
全く気がついていなかったが、こちら「NHK Eテレ」で放送されていたんだね。Eテレは良作品あるのだけど、いかんせん番宣がないものだからつい見逃してしまう・・・。
今回、Amazonプライムビデオで見られることができて本当にラッキー!
英国各地の数千人の応募者の中から選ばれた裁縫自慢の8人が優勝の座を目指し、バトルを繰り広げる。
挑戦者は毎回3つの課題に挑む。型紙を使った基本的な技術から、モデルに着せるオーダーメイドの服まで、裁縫自慢たちの独創性や正確性が試される。
(Amazonプライムビデオより)
本番組は、2013年にスタートし、2020年現在、イギリスではシーズン6まで放送中。イギリス以外でもフランスやノルウェーなどの他の欧米8か国でもご当地バージョンが放映されているそうだ。日本でもウケそうだね。
バトルの内容は・・・

上で述べたとおり、この番組は、事前の厳しいオーディションで選び抜かれた老若男女が、毎週のテーマに沿って、裁縫のスキルを競い合う。毎週一人ずつ、審査員の審判で脱落していき、最後の決勝を3人で戦うというもの。このスタイルは、「プロジェクト・ランウェイ」と同じだ。
<出演者>
デザイナーとして既に活躍していたり、これから真剣にプロを目指そうとしていたりする「プロジェクト・ランウェイ」の出演者とは違って、全員がアマチュアだ(出演を機に、裁縫を仕事に変える出演者も出ている)。
また、モデルもプロではなく、ふつうに街を歩いているような庶民的な人々が出演している。
<舞台>
会場になっているソーイング・ルームには、様々な布、ファスナー、ボタン、リボンなどが大量に用意されている。
参加者にはそれぞれ、ミシン、マネキン、裁縫台、アイロンなどの必要な装備が与えられる。出演者は、決められた制限時間内に、材料を選択し、型紙を準備し、裁断と縫製をすませ、できあがった作品をマネキンに着せて、審査を受ける。
<課題>
参加者たちが毎週チャレンジする課題は以下の3つだ。
- 課題1-事前に用意された型紙でベーシックな服を作る
- 課題2-用意された服などをリメイクする
- 課題3-それぞれ割り当てられたモデルに合わせた服を作る

「ソーイング・ビー」の魅力

「プロジェクト・ランウェイ」と比較してみたけど、「ソーイング・ビー」は予想よりもずっとステキな番組だったな。
バトルというより、ハートウォーミングなドラマを見ているみたい。
その魅力を以下に挙げてみた。
チャーミングな司会者
司会進行はクローディア・ウィンクルマン、審査員はデザイナーのパトリック・グラントとメイ・マーティン。
ティム・ガンと同様、いつもフィットしたスーツで決めているダンディなパトリックが、時折見せるお茶目さが可愛らしい。
しかし、何よりもキュートなのが司会のクローディア! 有名司会者でモデルでもある彼女だが、気さくで、とっさに出てくる機転の利いたコメントも愛にあふれているうえ、彼女の頭の良さが本当によくわかる。
目元が印象的な個性的なルックスと、モデルらしい着こなしにも、いつも目が留まる。この番組を通じて、すっかりファンになってしまった 😳 。
興味深い洋服の歴史
番組内でテーマになる洋服や、その素材の歴史などの服飾史が語られるコーナーがある。このファッションが生まれて流行したのには、こうした背景があったのか--それがとっても興味深い。
「アノラック」がテーマとなった回では、英国ブランド「マッキントッシュ」のゴム引きアノラックが生まれた歴史が紹介された。マッキントッシュ好きのわたしは大興奮 😀
*アノラック( anorak)とは、寒冷地や山岳登山などでよく利用される、フードつきのアウターウェア。
バトルなのに仲良し?
正直なところ、イギリス中から集められたというわりに、裁縫スキルがそこまで高くない参加者がいたり、未完成のままで作品を終えたりすることもある。「プロジェクト・ランウェイ」のように、ハイセンスな作品に目を見張ったり、クリエイティビティあふれる発想に驚かされたりすることはさほどない。
でも、その代わりに、参加者たちが、日々どんなふうに裁縫とかかわっているのか、自宅での風景や、家族たちとの交わりとともに紹介されるたび、心をギュッとつかまれてしまうのだ。
亡くなったわたしの母親も裁縫上手で、子供時代にいろんな服を作ってもらい、学生時代は制服のアレンジを頼むことが多かった。
針を手にもってミシンに向かう出演者たちと、懐かしい母の姿とがオーバーラップして目の奥が熱くなる。
参加者たちも、自分の洋服よりも、娘や孫や姉妹などの家族や、友人たちのために裁縫の腕を振るうシーンの方が多い。それらの服は、誕生日や、結婚式や、プロムやハロウィンなどなど、忘れがたい思い出の時とともにある。
自分の喜びのために作ることも素敵だけれど、誰かのために心を込めて何かを作りあげることの素晴らしさを実感させてくれる「愛」に満ち満ちた番組なのだ。
そんな気持ちを共有しているから、参加者同士で競い合うというよりも、「生涯の友ができた」と言って、勝者も敗者も泣きながら喜び合うというラスト(笑)。
裁縫ファンも、そうでない方も、ぜひ一度目を通していただきたいシリーズ。プライムビデオだけでなく「Hulu」でも全シリーズ視聴可です。

不器用なわたしも、裁縫始めてみようかな?と思わせてくれるよね。