「ドクターX」など日本でも医療ドラマは大流行。そして上の記事でも書いたように、アメリカのドラマでも「医学物」と「法廷物」は二大人気ジャンル。なんと言っても本場だから、面白さも超一級。今回は厳選したお勧め医療ドラマ5つを紹介したい。
単に医学物といっしょくたにはしてはならない。恋愛、笑い、ブラック、と個性が際立つ作品をバラエティ豊かに選んでみた。きっと好みにぴったりのものが見つかるはずだ。
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ER救急救命室/医療ドラマの王道だ
1994年9月~2004年2月、全15シーズン、全331話
製作総指揮のマイケル・クライトンが自身の体験を元に、総合病院のER(緊急救命室)で働く医師やスタッフ、患者たちが織り成す人間模様を描く。
言わずと知れた医療物の王道中の王道ドラマ。15シーズンも続いているから、出演者たちの成長に合わせて感情移入してしまう。出演者がコロコロと変わっていくことでも有名で、若き頃のジョージ・クルーニーの姿も見られる。登場人物が多すぎて訳分からない!となる可能性も?! でもハマればハマることは間違いない。気長に全シーズン制覇してみてね。
原作者のマイケル・クライトンは「ジュラシックパーク」で一気に大ブレイクしたが、ERの原作でもある「五人のカルテ」のような医学ジャンルもこなす多才ぶり。
ちなみに「ジュラシックパーク」は本の方が数倍スケールがでかい!
Dr. HOUSE/へんくつオヤジが超キュート
2004年~2012年5月、全8シーズン、全177話
診断医としての評価は高いが一匹狼で捻くれ者のハウスとそのチームが、他の医師が解明出来なかった病の原因をそれぞれ専門分野の能力や個性を生かして突き止めていく姿を描く医療ドラマ。
日本では「US版ブラックジャック」として紹介されているとおり、主人公のHOUSEはごう慢で、偏屈で、できる限り仕事をしたくないという怠け者。脚の病気の後遺症のために、つえをつきながら歩き、痛み止めが欠かせないのが特徴。患者を救いたいという熱い思いを抱いたステレオタイプの医者を描いていないところが、このドラマの魅力だ。
でも、シーズンを通していくうちに、HOUSEの患者や周りの人々に対する優しさや愛が分かってきて、だんだんカワイイおじさんに見えてくる。さすがヒュー・ローリー。日本なら遠藤憲一(エンケン)に演じてほしい。
グレイズ・アナトミー恋の解剖学/キュンキュンしながら英語も学ぼう
2005年3月~
シアトルの大病院で働く若い外科医たちの仕事と恋愛、そして苦悩と成長を、インターンとしてスタートする時点から描く。
こちらの記事でもオススメしたドラマ。アメリカでは最新シーズン13が放映中。そのために今までの登場人物の人数もかなりの数にのぼる。ドラマにありがちだけど、コミュニティの中で付き合う相手が入れ替わることも度々で、人間関係も回を追うごとに複雑になってくる。しかし、社内恋愛(院内恋愛)って日米共に普通なの?
シーズンを通じて、当然ながら主人公たちも歳を取っていく。「恋の解剖学」というタイトル通り、恋の駆け引きがメインだった初期のシーズンから、最近のシーズンでは生死や家族などのより深く重いテーマへとシフトしている。
総合病院内の整形外科、脳外科、小児科、婦人科などの様々な科が舞台となり、医療英語や医療知識を勉強したい人が楽しみながら知識を得られるドラマだ。
NIP/TUCKマイアミ整形外科医/キワモノなのか深いのか
2003年~2009年 全4シーズン 全59話(シーズン5からは舞台がカリフォルニアに移るため「ハリウッド整形外科医」に(邦題))
マイアミの2人の形成外科医、ショーン・マクナマラとクリスチャン・トロイの生き様を中心に、人間模様を描いたドラマ。
アメリカで、過激な性描写や手術シーンのためにスポンサーを降りる企業まで現れたドラマ。日本ではまだ美容整形そのものを医学的な観点で扱ったドラマは出てきていないので、新鮮で興味深い。ランチやディナーに出かけるくらいの気軽さで、女性たちが豊胸し、顔を変えていく。誇張なのかリアルなのかは分からないが、怖すぎるんだけど(笑)。
最新の整形事情はさておき、「美」とは何だろうと考えさせられる。人の欲望には限りがなく、美を追究しようとすればするほど深みにはまっていく。見た目と心のバランスをとれずに、さまよい続けるマイアミのセレブな女性たち。日本もやがて追従するだろう世界が描かれている。
ナース・ジャッキー/天使か悪魔か
2009年~2015年、全7シーズン、全80話
ジャッキー・ペイトンはニューヨークのオールセインツ病院で働く優秀な看護士。ドラッグを常用し、夫と2人の娘との4人家族だが、同僚と不倫中。
「天使か悪魔か」がキャッチコピー。エミー賞も受賞して、全米でも旋風を巻き起こしたコメディだ。看護士のジャッキーが実は麻薬常習者でもあるというシュールな設定が面白い。
冷静に考えると、医師も看護師もみな普通の人間で聖人ではない。いろんな誘惑に一番近い位置にあるから道を踏み外してしまうチャンスも多いのかもしれない。DR HOUSRのHOUSEもそう言えば薬物依存者だった。
舞台はオールセインツ(教会付属)病院。何かの折に登場人物たちが病院内の礼拝所を訪れる。「聖母」のように患者をいやしたいと望む一方で、クスリと愛人に助けを求めるジャッキー。そのジレンマが人間臭くて、心から共感できる。
もっと続いてほしいシリーズだったのに、意外と早く終わってしまって残念!
どれも見て損はない面白さなので一度トライしてみてね。