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Planned Happenstance(計画的偶発性)とは?
みなさんは、「Planned Happenstane(計画的偶然性)」という言葉を聞いたことがおありだろうか?
難しく聞こえるけど、実は身近によくある話だよね。
計画された偶発性理論(Planned Happenstance Theory)とは、スタンフォード大学のジョンD.クランボルツ教授が提案したキャリア論に関する考え方のこと。
転機を活かして人生を変えた人たちの、ほんの少しの勇気。
本書は、自分の将来キャリアや人生の選択に悩みながら道を切り拓いていったごく普通の人たちのケースを、心理学者であるキャリアカウンセラーが読み解きながら、変化の激しい時代における仕事やキャリアの新しい考え方を示しています。
「みなさんには、今後一切キャリアに関する意思決定をしないでほしいのです」という著者のアドバイスは痛烈ですが、大学生や若手ビジネスパーソンなど、人生や仕事の転機に直面している多くの人々にとって、示唆に富み勇気を与えてくれる書となっています。
世のビジネスマンやビジネスウーマンたちは、ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」のように、3年、5年手帳などを書いて、先を見据えて目的意識をはっきり定めている人が多い。
それらを決して否定するわけではないが、私は、クランボルツ教授のいう「計画的偶発性」なるものの方に心惹かれる。
人生を振り返えってみよう
たとえば、私の場合で言えば、ある日の合コンに出かけなければ、今の夫と出会っていない。「180cm以上の一流企業のイケメン」とかの条件を追い求めて結婚したわけではない。
そして結婚して住む場所が変わることになり、無職になって、新たなキャリアを見つけたいと考え始めた。
英語以上にお金を費やしたアパレル関係のバイトでもして、将来セレクトショップを開くのもいいな。
お酒を飲むのが好きだから、水商売も興味あり。
スナックの雇われホステスから修行できないかな?w
などと、翻訳業とは全く遠い夢をぼんやりと描いていた。
その後、英語が使えるということで拾ってもらった特許事務所で、「特許」の「と」の字も知らなかったが、特許翻訳という存在を知ることになる。そして、しばらくして、所長が急死し、フリーランスに転向せざるを得なくなった。
フリーになったら、あまりの税金の高さに、「法人化したらどうだろう」と思いつき、いきなり税理士事務所に相談に行った。
そして、今。10年後、5年後、3年後、の自分がどんな仕事をしているか、翻訳業を続けているような気もするが、断言はできない。半年、1年、あるいはそれ以上の目標を定め、それを実現すべく努力することは必要で大事だと思う。でも、一方で、変化し続けていく社会や自分を取り巻く環境に、柔軟に対応していきたいと常に考えている。
(注:この記事を書いて以降、サイトアフィリエイト含むネットビジネスにトライし注力中。将来的に民泊関係のビジネスにもチャンスがあれば参入したい)。
キャリアをどう選ぶのか
キャリアは自分が計画していなかった場合が多い。偶然が偶然を産み、出会いが出会いを産み、人生は変わっていく。
それは「計画された」偶然であって、その一つ一つはもしかしたら、偉大なる意志のようなものが働いているのかもしれない。
仕事を選ぶとき、私は「あ、やってみよう」という思いつきや、好奇心や、遊び心で構わないのではないかと思う。
それは始めたことをいい加減にしろというのではない。翻訳をとってみても、軌道に乗せ、依頼を継続的に受けるのは簡単なことではない。地味な作業を延々と続ける根気が必要だ。
でも、始めるきっかけは閃きでいい。人生の中でたびたび迫られる小さな、または大きな決定が、計画的偶発性を招く。
「Planned Happenstance」を起こすために
計画された偶発性は以下の行動特性を持っている人に起こりやすいと考えられる。
4つのステップ
- Clarify Ideas:自分の興味を惹かれること/関心事を明確にする
- Remove the Blocks:障害を取り除く(出来ない理由ではなく出来る理由を考える)
- Expect the Unexpected:思いがけないチャンスがくると思って心構えする
- Take Action:必要な準備をする&好機と見れば掴まえる
5つのスキル
- Curiosity:好奇心
- Persistence:継続性
- Flexibility:柔軟さ
- Optimism:楽観的であること
- Risk-taking:リスクを取ること
偶然に飛び込むことで、思ってもみない道が開ける。
頭を柔軟にして、常にフットワークを軽くしておくことで、思いがけない成功に出会うこともある。ガチガチに固めた計画ではたどり着かなかったところへ。
キャリアパスに悩んでいる人々の参考になれば幸い。
神戸大学大学院経営学科の金井教授は「行き当たりばっちり」(笑)とおっしゃられているが、その言葉にものすごく同意。