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小説が原作となっている映画は、言うまでもなくたくさんある。「原作のイメージ壊された!」、「原作と全然違う!」などと酷評されることも。できあがりが原作とかけ離れている!?と話題になった宮部みゆきの「模倣犯」などがその一例だろう。

ネタばれしたくないので詳細は控えるが、こんなラストでいいの!と宮部さんに聞いてみたくなった。でも、真に迫った中居正広の演技は見る価値あり。

おかんおかん

一方で、原作をうまくまとめたな。というより原作よりもクオリティが上がってる?!と思う映画も多いよね。

そんな原作ありの中でよりすぐりのおすすめミステリ邦画を7つ選んでみたよ。

今回は、掘り出し物やマイナー作品を避けて、あえていずれも超有名な作品ばかりを選んでみた。当然とっくに見たよ!という方々も多かろうが、名作は何度見てもやっぱり面白い。

一方、未見の方は、フレッシュな気分で楽しめるからうらやましい。特に、今なら「Amazonプライムビデオ」で会員なら無料で見られるよ!

以下の5作品は、原作も映画に負けず劣らず面白いのでぜひ読んでいただきたい。

1.「犬神家の一族」ー湖から脚が!!

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信州財界一の巨頭、犬神財閥の創始者犬神佐兵衛は、血で血を洗う葛藤を予期したかのような遺言状を残して永眠した。佐兵衛は生涯正室を持たず、女ばかり三人の子があったが、それぞれ生母を異にしていた。

一族の不吉な争いを予期し、金田一耕助に協力を要請していた顧問弁護士事務所の若林がやがて何者かに殺害される。だが、これは次々と起こる連続殺人事件の発端にすぎなかった!血の系譜をめぐる悲劇、日本の推理小説史上の不朽の名作!!(Amazon co.jpより)

まず、最初は何といっても「犬神家の一族」。初めて読んだ横溝正史の推理小説だ。「なんだ、これは!!」と不思議な世界に心をすっかり奪われて、金田一耕助シリーズを読破した。流行語にもなったキャッチコピー、

「読んでから見るか、見てから読むか」

の角川映画作品の第1作目である。映画館で観た「湖から飛び出した下半身」と「スケキヨのマスク」の衝撃は今もって生々しい。

「犬神家の一族」はその後も何度もリメイクされているのだけれど、市川崑監督の1976年版が群を抜いて素晴らしい。こんな贅沢にお金をかけたエンタメ映画は、もう日本では出てこないかなぁと少し寂しくなるほど。また、石坂浩二の金田一だけでなく、絶世の美女、野々宮珠代を演じる島田陽子の美貌も見物。2007年版の松嶋菜々子が見劣りするほどだ。

個人的には、角川映画「八つ墓村」もプライムビデオ入りしてもらいたい。若き日のショーケンが主役を演じている。

2.「砂の器(デジタルリマスター版)」ー風景と音楽と

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東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。被害者の東北訛りと“カメダ”という言葉を唯一つの手がかりとした必死の捜査も空しく捜査本部は解散するが、老練刑事の今西は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。

今西の寝食を忘れた捜査によって断片的だが貴重な事実が判明し始める。だが彼の努力を嘲笑するかのように第二、第三の殺人事件が発生する……。(Amazon co.jpより)

こちらも幾度となくリメイクされているが、やはり、何といっても、日本映画の金字塔の1つとも言える1974年版を見ていただきたい。デジタルリマスター版のため、クリアな画像でよみがえっている。

個人的には辛すぎて、何度も見ようと思う作品ではない。だが、重いテーマの一方で、日本各ロケ地の風景が目に痛いほど美しく、芥川也寸志の音楽も素晴らしい。原作者の松本清張も「小説では絶対に表現できない」といったと伝えられている通り、原作以上の映画となっている。

偏見と差別をなくしていこうという意味で、若い人たちにもぜひ一度見てもらいたいと思う作品である。

3.「バトルロワイアル」ーねえ、友達殺したことある?

バトル・ロワイアル

西暦一九九七年、東洋の全体主義国家、大東亜共和国。城岩中学三年B組の七原秋也ら四十二人は、修学旅行バスごと無人の島へと拉致され、政府主催の殺人実験を強制される。

生還できるのはたった一人。そのためにはただクラスメイト全員を殺害するのみ――。現代日本を震撼させたジェットコースターデスゲーム・ノヴェル。(Amazon co.jpより)

その過激な内容から、映画の干渉を制限する運動が起こるほど社会の関心を多く集めた、深作欣二監督作品。その後「バトルロワイアルII」や「バトルロワイアル特別編」とシリーズ化されたが、続編はさほど見る価値なし(毒)。

そして、この作品がヒットした理由は、高見広春の原作の設定がそもそも、当時の社会情勢とリンクしていて興味深いのだけれど、何よりキャスティングの妙。教師のビートたけしを筆頭に、主役の前田亜季と藤原竜也に続き、山本太郎、安藤政信、柴咲コウ、栗山千明、塚本高史、高岡蒼甫らが主要生徒として脇役を固めている。今も活躍している彼らのフレッシュさを見るだけでもなかなか楽しい。

今で言えば「ハンガーゲーム」が近い。好き嫌いが大きく分かれる映画/小説だと思うが、私はこの映画に共感する部分が多かった。

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4.「黒い家」-私史上最強ホラー

黒い家

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若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。信じられない悪夢が待ち受けていることも知らずに…。

恐怖の連続、桁外れのサスペンス。読者を未だ曾てない戦慄の境地へと導く衝撃のノンストップ長編。第4回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

こちらは映画はさておき、原作がともかく恐ろしい。私史上、スティーブン・キングの「ミザリー」に匹敵する怖さ(洋画編ではおススメ度◎)だ。読んでいるだけで痛い!

この小説が発表されて間もなく、和歌山カレー事件が発生し、事実が小説に追いついた!というよりか、発覚していないだけで世の中にはこのような事件はたくさん潜んでいるのだろうと想像させる。

映画版は、この恐ろしさや禍々しさよりもコメディ色が強い。大竹しのぶがさすがの演技力であるのは想像内だけど、その他の登場人物たち(西村雅彦、内野聖陽ら)の怪演が目を引く。原作は原作として、映画は映画として楽しむのがいいかも。

5.「告白」ーどっかーん!

告白

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。

衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラー。(「BOOK」データベースより)

今や「イヤミスの女王」として、次々とヒット作を飛ばし、原作が映画化やドラマ化されている湊かなえ。彼女を一躍人気作家に押し上げたのがこの「告白」だ。これがなんとデビュー作というのだからすごい。

告白もバトロワと同様、好き嫌いがくっきり分かれる小説で、リアリティがない、謎解きが不自然という批判もある。それでも、逆にこのファンタジーが妙にリアルに感じられてしまうのが湊かなえ作品の魅力だと思う。ちなみに、その後、ミステリ以外の分野にも進出していき、一発屋でないことを証明した。

さて、映画版。正直なところ、あまり期待はしていなかったのだけれど、想像以上に素晴らしかった。「嫌われ松子の一生」などで有名な中島哲也監督の、時にCGめいた画面作りの演出の特徴が、実にプラスに作用している。それもこれも、主役の松たか子のすごさの一言に尽きる。感情を抑えた静かな演技から、悲しみや怒りがまっすぐに伝わってくる。

「どっか~ん」。この松たか子の最後のセリフ。ラストが最高だ。

6.「容疑者Xの献身」ー泣けるミステリ

容疑者Xの献身

運命の数式。命がけの純愛が生んだ犯罪。 東野圭吾作品読者人気ランキング第1位。累計220万部突破、直木賞受賞の大ベストセラー。

天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘の美里と暮らす隣人の花岡靖子に秘かな想いを寄せていた。 ある日、靖子の前夫・富樫が母娘の居場所を突き止めて訪ねてきた。金を無心し、暴力をふるう富樫を、靖子と美里は殺してしまう。 呆然とする二人を救うために、石神は完全犯罪を企てる。

だが皮肉にも、石神と帝都大学の同期であり、親友である物理学者の湯川学がその謎に挑むことになる。 (Amazon co.jpより)

言わずと知れた大大ベストセラー作家の東野圭吾。

ガリレオ湯川の謎解きが主体でありながら、東野圭吾らしく「泣ける」推理小説。東野圭吾は、どんでん返しのストーリー作りが秀逸なのはもちろんのこと、魅力的で個性的なキャラクターたちと彼らが織りなす人間ドラマを描かせるとやっぱりうまい。

映画を見るまでは、さえない高校教師の石神を堤真一が演じるのは違うかな?と思っていたが、福山雅治を圧倒するすさまじい演技力にやっぱり泣ける。ガリレオシリーズの中での最高傑作であることは間違いない。松雪泰子やっぱりキレイだな。

7.「イニシエーションラブ」-ネタばれ禁止!

イニシエーション・ラブ

僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。 (Amazon co.jpより)

こちら、どんでん返しミステリとしては殿堂入りの名作。タイトル「イニシエーションラブ」はどうかとも思うが(笑)、私も例にもれず二度読み三度読みした。

こちらも映画が非常によくできている。特にこの作品中の前田敦子の可愛さのせいか、むしろ映画が原作の魅力をさらに引き出している。

バブル時代の描写がまた懐かしく、40代以降の方々は一層楽しめるはずだ。こうしたネットでの視聴では「え、どういうこと?」と簡単に巻き戻して二度見ができることも嬉しい限り。

おかんおかん

どれもおススメでカットできずに長くなってしまった・・・。

参考にしていただければ嬉しいな。