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おかんおかん

あまり料理は得意じゃないのだけど、料理を作るシーンが多い映画は大好き。

美味しい食事は、どんな場所でも人を癒す力があるね。

 

今回は、プライム会員なら無料で見られる映画の中から、「食べ物」を題材にした私のお気に入りの映画を3つ紹介したい。特に、「田舎」と「都会」と「海外」の異なる舞台のものから1つずつ選んでみた。背景は全く異なるものの、料理を通じた人と人との温かな心のつながりが、画面のこちらまで伝わってくる。

 

「おいしい」と感じる心と体があるかぎり、苦しさも寂しさも辛さも乗り越えられるのかもしれないね。

 

「リトル・フォレスト春・夏・秋・冬」ー東北のとある村で

 

リトル・フォレスト 夏・秋

 

”小森”は東北のとある村の中の小さな集落。いち子は一度都会に出たけれど、自分の居所をみつけることができず、ここに帰ってきた。近くにスーパーやコンビニもない小森の生活は自給自足に近い暮らし。

稲を育て、畑仕事をし、周りの野山で採った季節の食材から、毎日の食事をつくる。夏は畑でとれたトマトを使ったパスタや麹から作った米サワー、秋には山で採ったくるみの炊き込みごはん、栗の渋皮煮、冬は温かいひっつみや小豆を入れて焼いたマフィン、春はふきのとうを使ったばっけ味噌、春キャベツのかき揚げ。

四季折々に様々の恵みを与える一方で、厳しさも見せる東北の大自然。時に立ち入りながら、自分と向き合う日々の中で、いち子は美味しいものをもりもり食べて明日へ踏み出す元気を充電していく・・・。

 

こちらは、五十嵐大介氏が、岩手県衣川村で過ごした実体験を元に、「月刊アフタヌーン」で連載していた漫画が原作。

 

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作物の実るシーンを考慮に入れて、実際に奥州市の里山で1年間以上を撮影に費やし、収穫シーンや料理シーンもすべて橋本愛が実際に行っている。「夏/秋」と「冬/春」の二本立てとなっているが、それぞれの季節が各版で描かれているので、実質上は中編4編。どのシーズンも魅力的だが、畑でとれたトマトにかぶりつき、冷えた甘酒をぐいぐい飲み干す「夏」が好きかな。

 

フィクションでありながら、ドキュメンタリー色が強い。主要な登場人物以外は一般人が演じているのか、とつとつとした喋りが、またいい味わいをかもし出している。

 

TV番組の「ぽつんと一軒家」が人気を博しているように、こうした原始的で素朴な、自然と一体化した暮らしは、実際にやってみようとすれば、想像を超えた努力と自然との闘いがあるのだろうが、それでも現代人の懐かしさと憧れを呼び起こす。

 

家事の「時短」が追及される今に逆行し、手間暇をじっくりとかけた日々の食事がまぶしい。

 

おかんおかん

わたしは、海沿いの町の田舎育ちだから、自分ちでとった魚やタコが食卓に上ってたな。

子供ながらおわんいっぱいの巻き貝がおやつのこともしょっちゅう。

 

食事だけでなく、村の春夏秋冬で刻々と変化する風景が美しく、時折現れる動物たちに心がなごむ。こうした日本の原風景も限界集落となって消えていくのだろうか、それとも逆に一極集中から地方暮らしへの潮流が広がっていくのだろうか。

 

ちなみに、好きなエピソードは、村人たちの間で栗の渋皮煮ブームが巻き起こり、それぞれがレシピを工夫し合って持ち寄るところ。栗好きのわたしはこれだけはチャレンジしてみたい。

「深夜食堂」ー都会の片隅で

 

映画「深夜食堂」

 

舞台は繁華街の片隅にある小さな食堂。深夜0時に開店。メニューは豚汁定食だけ。そんな一風かわったお店には、ヤクザ者、売れない役者、雀荘帰りのサラリーマン、OL3人組、ストリッパー、新聞配達青年、わけありアイドル・・・さまざまな人が集ってくる。

客の楽しみは、他愛のない会話と、そして、「勝手に注文してくれりゃあ、出来るもんなら作るよ」というマスターの料理。赤いウインナー、甘い玉子焼き、猫まんま・・・リクエストされるのは、特別なことは何もないのに、何だか無性に食べたくなるものばかり。

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でも、そこには様々なストーリーがあって・・・ 繁華街の片隅の、深夜しかやっていない小さなめしやで繰り広げられる、ユーモラスで時にビターな人間模様。 見た人はきっと通いたくなるような、小腹も心も満たす「深夜食堂」、開店です。

 

映画「深夜食堂」を紹介したが、アマゾンプライムでは現在(2020年)ドラマ版もシーズン3が公開中。

 

こちらも「ビッグコミックオリジナル」で連載されていた安倍夜郎の漫画が原作。

 

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おかんおかん

「孤独のグルメ」の松重豊派も多いかもしれないけど、わたしは断然、「深夜食堂」の小林薫派!(対立してないか)

 

みなさんに「深夜食堂」はありますか?

 

料理よりも、どちらかというと、食堂を訪れる人々の人間ドラマの方にウェイトが傾いているのだが、料理がその中で大きな役割を果たしていることは言うまでもない。そして、お酒も。

 

現在、デュアルライフ進行中のわたしは、滞在中のここにはまだ見つけられていないのだけど、大阪には一応、深夜食堂もどきの場所がいくつかある。大阪に久しぶりに帰ったとき、一人で食事をしなければならないとき、何となく暖簾をくぐってしまう。

 

「おかえり」といういつものお母さんの声を聞き、息子がその日の旬を適当に見繕って、新たに入った日本酒と合わせて出してくれる。お酒が進むうち、適当に少しグチをこぼしたり、日頃は話せない本音をつい吐いたりする。既婚でも未婚でも、パートナーがいてもいなくても、おひとり様が好きでも苦手でも、人恋しくなる夜ってきっとある。

 

小林薫と楽しい常連さんたちがいる深夜の食堂。わたしも仲間に入りたいなと、画面を見るたびいつも思う。

「かもめ食堂」ーフィンランドのヘルシンキで

 

かもめ食堂

 

夏のある日、ヘルシンキの街角に「かもめ食堂」という小さな食堂がオープンしました。その店の主は日本人の女性サチエ(小林聡美)でした。

道行く人がふらりと入ってきて、思い思いに自由な楽しい時間を過ごしてくれる、そんな風になればいい、そう思ったサチエは献立もシンプルで美味しいものをと考え、メインメニューはおにぎりになりまして。しかし、興味本位に覗く人はいましたが、来る日も来る日も誰も来ない日が続きます。

それでもサチエは毎日、食器をピカピカに磨き、夕方になるとプールで泳ぎ、家に帰って食事を作る、そして翌朝になると市場に寄って買い物をし、毎日きちんとお店を開く、ゆったりとしてヘルシンキの街と人々に、足並みを合わせるような、そんな時間を暮していました。

サチエは、毎日真面目にやっていれば、いつかお客さんはやってくる、とそう思っていたのです。

 

原作は群ようこの同名小説。

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もはや小林聡美の代表作の1つでもあり、熱狂的なファンの多い作品。どのドラマや映画でも、小林聡美が作ると、食事が美味しく見えるのはなぜだろう。

 

おかんおかん

フィンランドという舞台を選んだことがそもそも成功の1つだよね。

 

北欧には2週間ほどしか滞在したことがないので、言うには本当におこがましいのだけれど、北欧が本当に好き!北欧の美しい街並みと、ゆったりと流れる時間は癖になりそうで、冬の寒ささえなければ(笑)そのまま数年間住んでみたいと思ったほどだった。

 

マーケティングも無視したリアルさに欠けるサクセスストーリーで、イメージだけが先行した物語という批判も一理なくはない。でも、この映画の本質はそこにはないと思うので、小林聡美、もたいまさこ、片桐はいりの世界観を愛せる人なら期待を決して裏切らないはずだ。

 

フィンランドブランドのマリメッコやイッタラが協賛しており、各所に使われているのも目の保養。また、実際に存在する現地の食堂「カハヴィラ スオミ」ふが現地のロケに使用されている。

 

美味しい映画3作品のまとめ

今回は、見ているとお腹がすいてくる食べ物がテーマの3作品を紹介した。夜中に見始めると危険! ただし、料理がおいしそうというだけではなく、舞台となる街の風景や、描かれる人間ドラマも十分に見ごたえがある。

 

他にも紹介したい食べ物にちなんだ小説やドラマ/映画はたくさんあるが、今回はとりあえずAmazonプライムで見られる作品を挙げてみた。興味があればぜひご覧いただきたい。

 

 

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