50代が見た「逃げるは恥だが役に立つ」
今年の連ドラの中でも一大ブームを巻き起こした「逃げ恥」。私も全部視聴した。このドラマにみんながはまる理由はよく分かる。
就活難民20代女子、30代のプロ独身男子、元ヤン一児の母、男性経験なしのアラフィフキャリアウーマン、天然ラブラブ夫婦、結婚に興味がないハイスペックイケメン、イマドキ帰国子女、家庭第一愛妻家、ゲイ・・・
これだけ登場人物がいればどこかに感情移入はできるだろう。多くの人が指摘しているように、主人公の妄想シーンがドラマに挿入される米国ドラマ「アリーマイラブ」(大好きだった)の手法も、新しいようである意味懐かしく、幅広いファン層をつかんだ。
私はみくりちゃんの母親やおばさんの百合ちゃんと同世代。だからもちろん彼女たちに注目してしまう。
- いきなりだんなさんが都会のマンション暮らしを捨てて、田舎に移住したいと言い出した(実際に実行した)
- 部下の男性へのセクハラを疑われた
などなど、ドラマ通りの展開が、身の回りにも実際に起こった。
新垣結衣と星野源のラブストーリーに注目しがちだけど、実際には、管理職独身のアラフィフ百合ちゃんを自分に当てはめてキュンキュンしている女性の方が実は多いかも。あんなに美しい50歳(正確には49歳?)がいるかどうかはおいといて。
17際年下のイケメンに向ける複雑な心情、仕事と人生とのバランス、日常の中で起こる心のざわめきやアップダウンに揺れながら、悩みながらも、無理な虚勢もはらず、等身大で生きている百合ちゃん。その姿が、石田ゆり子という女優と見事にマッチする。
夫婦は「独立採算制」OR「共同経営責任者」?
「夫が雇用主で妻が従業員、そこからして間違っているのでは。主婦も家庭を支える立派な職業になる、そう考えれば、夫も妻も共同経営責任者」
という最終回の平匡(星野源)の言葉が名言としてピックアップされている。
今の婚活世代には、この言葉がそんなに響くのかな?
ドラマの中の二人は、家事代行を請け負う「雇用主」と「従業員」という関係から始まったから、この関係が基本となるのは仕方がない。
でも、アラフィフの私の周りでも「俺が食わしてやってるんだから俺の言うことを聞け」的な主従関係は少数派で、「ちゃんと稼いできてよ」という妻が社長で、夫が社員という関係性の方が多い気がする。
我が家はこれまで、「主従関係」とも「共同経営責任者」とも言いがたい関係を築いてきた。言ってみれば「独立採算制」。
同一の大組織に属するあるまとまった組織体における収入と支出を,他の組織体と切り離して管理し,収支均衡の維持や収益の確保を図る経営管理制度のこと。
組織が大規模化すると、計画や方針の不徹底,経費削減や販売促進の意識鈍化,運営や管理の非効率化等が生じてくる。
この対策として,巨大な組織を小規模な組織に分割するとともに各組織体に広範な自主制を与える代りに,収支の責任を負わせるのが独立採算制である。
まあ、「運営や管理の非効率化」が解消されたかというと逆効果?という気がなきにしもあらずだが。「収支均衡の維持や収益の確保」はある程度、達成されているかな。
でも、おとんのアーリーリタイア、と先の見えない今後を考えて、我が家も「共同経営責任者」的なコンセプトに変換する時期かな、と思い始めた。

今年のクリスマスはおとんが準備したよ。
初めてのパン、上出来!
おとんが初めてパン焼きに挑戦した。メインのチキンも。仕事を済ませて、久々にジムに行き、帰ってきたら、玄関で香ばしいパンの香りが漂ってきた。
一つの事業を二人以上の者が,対等の立場で力を合わせて経営すること。また,その経営形態。
これが、共同経営責任者の定義だとすれば、我が家の事業は、もしかしたら「ベーカリー」になるのかも(笑)。
夫婦の関係性は、人に決められるものではない。逃げ恥の二人は素敵だけど、それに固執することもない。小麦粉を買いすぎて、当分我が家の主食は米ではなくパン。