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翻訳者になった人は今までどんな本を読んできたんだろう?

 

 

 

個人的にはとっても気になる。「どの映画が好き?」、「作家は誰が好き?」、「どんなジャンルの音楽が好き?」--出会った人には聞いてみたい。

 

おかんおかん

「生き方に影響を与えた」などと大きく語ってしまった...。

もちろん、多すぎてこの5冊に限定はできないけど、無理やり選んでみたよ。

 

ただ、人生の選択や生き方やなんやかやに薄ぼんやりと指針を与えたかもしれない本たち。

 

翻訳者や、翻訳者を目指す人たちでも興味の対象はいろいろ。科学的な理論、史実に基づくドキュメンタリー、日本文学・・・それでも本を読むのが好きってことは前提にあると思う。書くこと(アウトプット)は、まずは読むこと(インプット)から生まれてくるのは確か。

 

王子と乞食



 

アメリカの作家マーク・トウェインが1881年に発表した児童文学作品である。16世紀のイングランドを舞台に、実在の若き国王エドワード6世を主人公とした冒険譚で、トウェインはこの作品を通して、子どもの視点で16世紀のイングランドの世情を痛烈に皮肉った。

 

私が最初に読んだ子供の頃、この小説に含まれる風刺や深い意味などはもちろん分からなかった。

 

でもこの「取り替えっ子」というシチュエーションに萌えた。今考えると、自分は平々凡々な日本の少女だけど、実はフランスのお姫様。そんな空想のきっかけを与えてくれたのかもしれない。

 

「足長おじさん」、「にんじん」、「若草物語」、「不思議の国のアリス」、数々のギリシャ神話。何度も何度も繰り返し読んだ。日本昔話よりも海外の話に心惹かれたことが今につながっているのか否か。今読み返しても児童文学の深さに驚く。

風と共に去りぬ



アメリカ南部の大農園“タラ”に生まれたスカーレット・オハラは16歳。輝くような若さと美しさを満喫し、激しい気性だが言い寄る男には事欠かなかった。

しかし、想いを寄せるアシュリがメラニーと結婚すると聞いて自棄になり、別の男と結婚したのも束の間、南北戦争が勃発。スカーレットの怒涛の人生が幕を開ける―。

 

最初に読んだ頃はまだ男女の「愛」を実感したことがなかったが、。スカーレット・オハラ(16歳!)はまるで「キャンディ・キャンディ」みたいだと夢中になって読んだ。

 

「明日は明日の風が吹く」、このスカーレットの生き様は今の時代も不思議と古くない。アメリカ南部の地など自分と何の関連もないのに、この作品をテーマにした宝塚の舞台など見ると胸が高鳴る。

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私もスカーレットみたいに雄々しく生きるのだ、と宣言した。今それはできているかな?

幻の女


妻と喧嘩し、あてもなく街をさまよっていた男は、風変りな帽子をかぶった見ず知らずの女に出会う。彼は気晴らしにその女を誘って食事をし、劇場でショーを観て、酒を飲んで別れた。

その後、帰宅した男を待っていたのは、絞殺された妻の死体と刑事たちだった!迫りくる死刑執行の時。彼のアリバイを証明するたった一人の目撃者“幻の女”はいったいどこにいるのか?最新訳で贈るサスペンスの不朽の名作。

 

怪人二十面相、江戸川乱歩、本家本元のエドガー・アラン・ポー、エラリー・クイーン等々と、推理小説は大好きだったけど、この「幻の女」から少し趣味が変わった。

 

謎解きはもちろんのこと、それ以上に、映像が浮き上がってくる美しいリリカルな文章。オレンジ色の帽子をかぶった謎の女。アイリッシュのようなミステリー作家はあまり他に例を見ない。こんな原著を訳してみたいと思った最初の一冊。

鏡は横にひび割れて


穏やかなセント・メアリ・ミードの村にも、都会化の波が押し寄せてきた。新興住宅が作られ、新しい住人がやってくる。まもなくアメリカの女優がいわくつきの家に引っ越してきた。

彼女の家で盛大なパーティが開かれるが、その最中、招待客が変死を遂げた。呪われた事件に永遠不滅の老婦人探偵ミス・マープルが挑む。

 

アガサ・クリスティーは大・大好きな作家。彼女を超える推理小説家は今後もそうそう出てこないと思う。

 

彼女の作品が今も古びない理由は、トリックに左右されるのではなく、人間の心理が事件を解く鍵となっているからだ。「鏡は横にひび割れて」は推理小説としては革新的な謎解きだと思う。他にもおススメ作品がありすぎて困るが、代表としてこちらを挙げておく。この作品はドラマ版も見ていただきたい。


停電の夜に


毎夜1時間の停電の夜に、ロウソクの灯りのもとで隠し事を打ち明けあう若夫婦──「停電の夜に」。

観光で訪れたインドで、なぜか夫への内緒事をタクシー運転手に打ち明ける妻──「病気の通訳」。夫婦、家族など親しい関係の中に存在する亀裂を、みずみずしい感性と端麗な文章で表す9編。ピュリツァー賞など著名な文学賞を総なめにした、インド系新人作家の鮮烈なデビュー短編集。

 

ジュンパ・ラヒリはインド系アメリカ人二世。インドの香りがプンプンしてくる短編集である一方で、人種や土地を超えた、繊細な心情がずしりと伝わってくる。

 

初めて読んだとき、涙がほろりと流れるほどの衝撃があった。短編ながら内容は長編小説以上。人間同士の関係性を今一度考えさせられるきっかけとなった心に残る小説である。

 

 

秋の夜長は読書と共に。

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