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大阪松竹座にて、中村芝雀改め五代目中村雀右衛門襲名披露「七月大歌舞伎」(H28年7月)のチケット入手。宝塚だけでなく歌舞伎の情報も発信していきたいな。

宝塚、他の舞台、ミュージカルなんかよりも歌舞伎はハードルが高いと思われている。お値段もその理由の1つ。一等席18000円、ペアだと36000円、ちょっと家計にはイタいよね。でも価格のことは別の機会に語るとして、内容が難しい?というのも大きな理由の1つかも。

歌舞伎の古典と新作の違いは?

言葉も現代語ではないし、時代背景も異なる。突然主君の○○様が出てきて、そのうち姫君やら敵やらが現れ、何が何だかますます分からなくなる。どうしてここで果たし合い?、どうして急に心中?はてなマークばかりになるかもしれない。現代物で歌舞伎を作ったらもっと分かりやすいのにと思われるだろう。

この辺りのことは、いつも読ませていただいている「歌舞伎見物のお供」「歌舞伎の「古典」と「新作」について」について詳しく書かれているので、私からは割愛。

このサイトの管理人さんは、「新作」がなかなか現れない理由をいくつか述べており、このようにも言っている。

そういう「歌舞伎が歌舞伎であるための」基礎教養を無視して、見た目歌舞伎っぽいものを作ることはできると思います。
初心者さん向けにハードルを下げてわかりやすいものを出し、演出のおもしろさをまず見てもらう、というのはいい作戦だと思います。
むしろそういうものを作るのは楽しいと思いますし大賛成です。

ただそれは、一般的に「歌舞伎」と呼ばれているものとはやはり違う何かだろうなと思います。
例えるなら、N響がアニソンやゲーム音楽のコンサートをやるようなかんじです。
クラシック楽器の響きに親しんでもらうにはいい企画ですが、アニソンをどうアレンジしてもクラシック音楽にはならない、
そういうかんじだと思います。

あと、歌舞伎はやはり、封建時代の価値観と美意識を前提に作られたものなので、新作を作るにしてもそのテーマとなる美意識の部分は変えられないと思います。
主君のために切腹とか、家と恋との板ばさみになって心中とか。

(歌舞伎見物のお供より転載)

私もこの意見におおむね同意。あの世界観を崩したら、歌舞伎の良さが一気にしぼんでしまう。でも、そのかつての日本の美意識や道徳観/倫理観と、現代のそれらとをうまくミックスし、歌舞伎に対する興味を引き起こすと同時に、古典の素晴らしさを再認識させるきっかけがもっと広がるといいと思う。

こんな新作カブキはいかが?

皆さんの多くもご存じ、市川海老蔵、中村獅童、片岡愛之助、そして若手歌舞伎俳優らも新しい試みを数々行っている。

地球投五郎宇宙荒事(ちきゅうなげごろううちゅうのあらごと)

中村獅童ふんする宇宙人の悪の親玉、駄足米太夫(「スター・ウォーズ」のダース・ベイダー?)。脚本は宮藤官九郎、演出は映画監督の三池崇史。

船が現れた。その船から降り立ったのは悪の親玉・駄足米太夫、衛利庵(えいりあん)である。その妖気に怯えた 江戸の庶民は上を下への大騒ぎ。すでに度重なる宇宙生命体の襲来により、江戸幕府はその機能を失っており、パニックを避けるためには、宇宙人の存在を隠蔽 する必要があった。法漢和尚は機転を利かせて、庶民に「これは歌舞伎だ! 芝居だ!」とごまかし、混乱を沈めた。そこに花魁道中が通りかかる。米太夫は地 球侵略の手始めにと、吉原一の花魁・高窓を人質にとらえる。正義の味方、五郎に扮した團九郎が登場するも、いとも簡単に高窓を連れ去られてしまい…。

脚本は宮藤官九郎、演出は映画監督の三池崇史。

GOEMON 石川五右衛門

片岡愛之助は、盗賊の石川五右衛門がスペイン人宣教師と日本人女性とのハーフだったという奇想天外な設定。五右衛門を演じるのは片岡愛之助。五右衛門の父、カルデロン役に、ジャニーズの今井翼が出演して話題を呼んだ。和と洋を絡めた大胆な演出が圧巻。

今井翼くんはスペインにも渡り、タッキー&翼というアイドルユニットを超えて幅広く活躍している。そのフラメンコは素晴らしかったし、愛之助のダンスもなかなかだった。新作歌舞伎でよくある宙乗りも2階席、3階席まで楽しませてくれる。

KABUKI LION 獅子王

市川染五郎が3日(日本時間4日)、ラスベガスのホテル、MGMグランド内の劇場で上演した。

獅子が子獅子を突き落とし、はい上がるのを見守る「石橋」をもとに、最新の映像技術や、タップダンス、マイケル・ ジャクソンのムーンウオークなどの要素を盛り込んだ。

★「石橋(しゃっきょう)もの」

高僧が天竺にわたって、聖なる山の清涼山を訪れる。木こりが現れて清涼山の「石橋」の由来を語る。そこに獅子が現れて舞を舞うというもの。「獅子もの」とも呼ばれており、歌舞伎ではいろいろな獅子物が有名。親子の獅子が出てくる「連獅子」は一度は是非是非みていただきたい。勇壮な舞いと、迫力ある顔面、感動すること間違いなしで、ラスベガスでも獅子は大受けしたと思う。

あらしのよるに

あの有名な絵本「あらしのよるに」が原作。このベストセラーは、ゲームやアニメや映画化もされ、今なお多くの人々に愛されている。小さな子供たちも、オオカミの「がぶ」とヤギの「めい」に夢中になるだろう。

もともと歌舞伎には、狐や猫などの動物が出てくることが多い。長唄や義太夫、日本舞踊とのコラボが楽しい。

ONE PIECE(ワンピース)

言わずと知れた大ヒットマンガ、ワンピースが下敷きとなっている市川猿之助主役のスーパー歌舞伎。

大秘宝ワンピースを探す大いなる航海の次なるステップ、新世界への入り口となるシャボンディ諸島での海軍との戦いの中で、麦わらの一味は散り散りになって しまう。一人になったルフィは兄エースの処刑宣告の知らせを聞き、救出に向かう。侵入不能の海底監獄を突破するルフィだが、エースは海軍本部に移送されて しまった後。そしてついにその海軍本部を舞台に、エースを救おうとする海賊団やルフィと、海軍との間で壮絶な決戦が繰り広げられる!!

 

今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら)

でも、コラボで最も驚かされ、話題になったのは中村獅童と初音ミクがコラボした「今昔饗宴千本桜」だろう。こちらはニコニコ動画でネット中継された。

千本桜
今昔饗宴千本桜

大正百年の帝都桜京で、神憑特殊桜小隊の隊員として活躍する初音未來と桜小隊隊長の靑音海斗。
未來は美玖姫として、海斗は佐藤忠信として生きた時代があり、千本桜を守り抜くために、桜の花を奪っていった邪悪な青龍に立ち向かい……。
〝千本桜〟をキーワードに「今」と「昔」をつなげる物語。

映像×演劇 + ボカロ×歌舞伎音楽。新作歌舞伎がさらに進化を遂げた作品。

私自身は古典が好きだけど、新作も機会があればどんどん見に行ってみたい。

今まで歌舞伎に興味のなかった友人も誘いやすいかな。



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