今回は、技術系の英訳を始めたい人に是非読んで欲しいシリーズを紹介したい。
Contents
「技術英文大全」シリーズ
そんなに分厚くないのに、けっこうなお値段がするのね。
そう思うかもしれないけど、内容は濃いよ!
手に入りにくくなる前に、Amazonで購入しておくことをおススメ!
科学技術英文を「読み」「書く」ための極意を詳しく解説!
本書は「詳解 技術英文大全シリーズ(全5巻)」の第1巻にあたる。本シリーズの共通テーマは、「日本人による日本語の精緻な深い読みに基づいた英文作法を極める」である。一般に、日本人が英文を書く際に意識すべきポイントは次の3つであると考えられる。
(1)ネイティブの目から見た正しい英語の表現法と日本人英語の欠点
(2)日本人の目から見た精緻で深い日本語の読み
(3)日本語と英語の発想法の違いを意識した両者の対応づけ本シリーズは、(2)および(3)を中心テーマとする。すなわち、日本語を母国語とする日本人の強みを生かし、「日本語の読み」という独自の視点から高度な英文作法を習得することを目的とする。
本書は、第1巻として科学技術英文を読み書きする際の基本的な考え方・テクニックをまとめる。
値段に見合う価値があると思うのだ。
私はシリーズで揃えているが、どれか1冊選ぶならば第1巻。やっぱり5巻全部。
テクニカルライティングの本は本当に数多く出版されているが、このシリーズ5冊に凝縮されている気がする。
著者:佐藤洋一氏
国際基督教大学教養学部理学科(物理学専攻)
東京工業大学大学院総合理工学研究科修士課程終了
フェローアカデミー実務翻訳科講師
シリーズの内容
amazon等では、内容が詳しく紹介されていないので、見出しを転載しておく。
第1巻 技術英文の発想法
- 技術英文を書くためのポイント
- 情報を過不足なく伝達する
- 技術英文を正しく書くには
- 日本人が陥りやすい問題点
- 悪文の対処法
- ドキュメントの違いによる英文の発想法
- 専門知識と一般知識を活用する
- テクニカルライティングの発想法
- 日本語と英語の対応
- まとめ-英文の読み書きの極意
どの章もためになるけれど、5章の「悪文の対処法」が気になるかも。
和文英訳とは、和文を読み、英文を書くという2段階の作業であるが、実際には和文の真意をくみ取る労力が英文を書く労力よりもはるかに大きいことが少なくない。その場合。日本語を正しく読み解く能力がキーポイントとなるのである。
と筆者は言っている。その悪文のタイプと対処法が具体的に分類して説明されており、他の著書と一線を画する。
第2巻以降はこちら。
第2巻 直訳・意訳・対応表現
- 直訳・意訳・対応表現とは
- 対応表現の発想法
- 最適な表現を選択するコツ
- 文脈による判断
- 英文を上手にリライトする
- 様々な対応表現
- 既存の英文から対応表現を発見する
- パラグラフ単位の読み書き
- 長文の読み書き
- まとめ-効果的な学習法
第3巻 高度な英文表現
- 高度な英文表現とは
- 技術英文における頻出表現
- 基本動詞の徹底解説
- 基本前置詞のポイント解説
- 冠詞の活用法
- 形容詞の頻出表現
- 副詞の頻出表現
- 助動詞、関係詞、接続詞の用法
- さまざまな応用表現
- まとめ-高度な英文表現の追求
第4巻 長文の文章表現
- 長文の文章表現とは
- パラグラフの構成法
- パラグラフ単位での情報の伝達
- トピックセンテンスの選び方
- 文の流れを意識した英文の書き方
- 英文を簡潔にまとめる各種技法
- 情報を正確に伝えるコツ
- パラグラフ間の関連性の配慮
- パラグラフから長文へ
- まとめ-長文の文章表現のポイント
第5巻 技術英文のまとめ方-読み書きの極意-
- 各種ドキュメントのまとめ方
- マニュアル
- 取扱説明書
- ライセンス契約書
- 作業指示書
- ビジネス文書
- プレゼン資料
- カタログ・パンフレット
- 各種の英文ドキュメントの読み方
- まとめ-技術英文の読み方を極める
演習問題付き。
この5冊をみっちりと勉強しておけば、入門的なスクールに通う必要はないと思う。何度も復習しておきたい名著だね。