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翻訳者になるのに学歴って必要なのかな?

と聞かれたら、

「必要だとは思わないけど・・・

翻訳者になるのに学歴って有利なのかな?

ということなの?」

と聞き返すかな。

はっきり言って有利。とっかかりとしては。

学歴は必須?

探せば見つかると思うが、「理系学部」、「修士以上」など、学歴を応募資格に挙げている会社もいくつかある。そして、明示していなくても、

「申し訳ございませんが、当方では・・・」と『理系』学部出身でないことを理由に、トライアル以前にお断りを受けたことも過去数回ある。私自身のでた大学は「お嫁さん」にはそこそこ向くのかもしれないが、就活という意味では今ひとつ受けがよくない。時代のせいもあるが、就職せずに、あるいは就職しても数年で辞めて結婚という道をたどった同級生が多い。私も英語は好きだったけど、遊びとバイトとデートが中心のバカ女子大生だった。

たとえば、[マサチューセッツ工科大学(例)」と書かれた履歴書と[普通の女子大]と書かれた履歴書を目の前に置かれたとする。採用担当者は、そこである程度選別しなくちゃならないと思ったら後者を落とすに違いない。一般論でいうが、おそらく地頭もよく、一生懸命真面目に受験勉強をして、専門知識を4年間以上学んだ人々の努力を認めてあげなければ、何のための学歴だということになる。再びあくまで一般論だけど、偏差値の高い有名大学や欧米の大学などを卒業した人たちは、コツコツと勉強を積み重ねたり、大量のレポートを提出したりする癖が身についている。翻訳は本当に地味で、根気と集中力が必要で、大量に本や資料を読むことが必要な仕事だから。

逆に、翻訳スクールや、翻訳雑誌などは、たいていは「学歴不問」として、実力第一主義とうたっている。「学歴なんて関係ない」という声が主流だろう。

でも、ちょっと面白い。

3000人のプロ翻訳者名簿「翻訳者ディレクトリ」を覗いてみれば、きらびやかな学歴/職歴の方々が数多く集まっている。翻訳会社のHPを見れば、「我が社はこのような登録翻訳者を揃えています」と素晴らしい学歴/職歴の方々が紹介されている。紛れもなくアピールポイントである。

スクールと、エージェントでは、呼び込みたいクライアントが全く異なるわけだ。

たとえば、私たちが娘にピアノを習わせるとしたら、とりあえず●●(有名)音大卒の先生を選ぶ基準の一つにするかもしれない。子供にピアノを教える才能があるかどうかをさておいて。翻訳もどの業界と変わらず、イメージが大事で、人は大抵の場合、先入観に左右される。私も今通っている歯科医院の中に「阪大歯学部卒」の証書が飾られているのをみて、ここなら安心だわと思った経験がある。

また、女性は、結婚や出産やさまざまな理由でキャリアを中断させられることが多い。英語や、留学経験や、大学の研究や、研究職の経験や、関連する職務経験などから、自然な流れとして翻訳業を第2のキャリアや副業として目指す、あるいは選択する人も多い。トップレベル大学卒(有名企業出)な女性が流れ込みがちな業界であり、実際に、私の周りにも優秀な女性翻訳者たちが本当に多い。そうした人々が基準を底上げしている感もある。

 

で、実際はどうなの?

でも、皆さんもうすうすお分かりの通り、実際の仕事をもらえるきっかけさえあれば、つまり、どうにかトライアルを受けさせてもらえ、そこで一定水準の成績を上げれば、学歴が問題となることはほぼなくなるだろう。あとは地道に実績を積みあげるだけ。それが職歴となる。会社の看板となるような有名翻訳者以外の、翻訳者として働いている多くの人々は、上で言ったように華麗な学歴や職歴を持つ人も多いが、それ以上に私のようなふつうの女性(翻訳者は圧倒的に女性が多いと思われる)が多いはず。人脈もコネもできる限り活用しよう。

医師のように医学知識が豊富な、弁護士のように法律に長けた、研究者/技術者のように特定分野に精通した、そんな翻訳者であれば、それは理想だ。しかし、実際の仕事では広く浅くという守備範囲がむしろ要求される。エージェント経由の場合、専門分野をあまりに狭く特定してしまうと、依頼量は圧倒的に少なくなる。むしろそこまでの域に達したならば、翻訳者という立場に自身が飽き足りなくなるのではないだろうか。

私は、「ここは抜けていませんか?」、「書き間違いではありませんか?」という指摘や、読みやすくするお手伝いはするけれど、原文を大きく越えて、起承転結を明確にしたり、流麗な文体に書き直したりすることは、自分の仕事の範囲外だと考えている。あくまで翻訳者は「黒子」だと考えている。ひるがえって、エージェントを通さない直受けのクライアントのために、プラスアルファのリライトやコピーライティング的な要素を、差別化して打ち出すことはアリか。

 

結局必要なのは・・・

学歴じゃなくて、

才能

なのかなと思う。才能という言葉が大げさならば「向き不向き」。頭の良し悪しとは別に、文章を読み解き、書くという作業は、運動神経やリズム感みたいに、才能やインスピレーションのようなものに左右される部分がある。それを大人になって身につけるには結構苦労するかも。才能がある人は、経歴にかかわらずグングン伸びるし、スピードも加速する。だが、作家ではないので、ふつうに生業とするにはスーパーな才能である必要はないのではなかろうか。

そして、上で書いたとおり、性格的に向いてない人は確実に存在する。人と常に接していたいという社交的な人や、地味で単調な作業が嫌いという人には苦しいだろう。ところが、フリーランスの場合は、社交性やコミュ力も大きな要因となるのが複雑なところ。

翻訳者になるのに資格って必要なのかな

 

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