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おかんおかん

思いきりはいいけど、小心者。だから、リスクをとるのが怖いんだよね~。

 

特に法人化してからは、収入を安定化させることを目標としている。基本的に赤字は繰り越せるのだが、やっぱりきちんとお給料を払って、黒字経営を続けたい。

 

しかし、一般にいう起業とは異なり、フリーランスの「翻訳者」に限っていえば、何千万、何億と売上げを伸ばせるものではないし、重版のかかりまくる大ヒット作の翻訳を偶然手がけるなどのそんな大成功は目標としていない。人をたくさん雇って会社を大きくすることも今のところ考えていない。

(追記:この記事を書いて以降、夫が退職したりだなんだで方向転換を図りつつあり)。

 

さて、ということで、年収は、自分が最初に働いた会社の正社員として働き続けたと仮定し、非常に大ざっぱに

 

 

(会社員の)予測年収 × 2 +α

 

 

を理想としている。2倍としたのは、有給や保険などの会社員のメリットが受けられないため、不測の事態に備えて、そして、会社員と同じでは夢がないのでそれにプラスαとしておいた。現時点でそれをどの程度上回っているか具体的には開示しないが、翻訳業のみで少なくとも2倍は超えているはず。

 

以下、私が考える方針は、上記の点を考慮しており、効率化という面、ひいては収入の面ではかえってマイナスになるかもしれないし、定石にのっとっているのかどうかも分からない。

 

また、売上げを上げれば上げるほど実収入が高くなるのかも、税金とのからみがある。ただ、いつも心がけているのはリスク分散である。いきなりの収入急降下は怖い。

1.分野でリスク分散

実は出版翻訳が翻訳デビュー。そこから方向転換し、広くビジネス一般から始め、特許事務所でパートを始めたのをきっかけに、特許分野に参入した。

 

特許分野は翻訳分野の中でも比較的単価が高いと言われているために主力にしている(今は機械翻訳の台頭もありそうとも言えない部分もあるが、上流ではさほどの変化なし+仕事量が比較的安定している)。

 

一方、ビジネス分野(広報等)は最初に始めた分野でもあり、今も続けている。厳しいエージェントだが、その分鍛えられたと思う。業界では分野を特化させるのが普通だと思うが、あえてそうしたくない。そのわけは、

「文章」について

同じ分野の文章ばかり手がけていると、その分野特有の表現や文体に慣れてしまう。特許分野のみを専門にすると、柔らかい文章が書けなくなるのではないかという不安につきまとわれる。技術文書は、「含み」を持たせた曖昧表現は基本的にNGなので、ニュアンスからは遠く離れる。

 

今後のキャリアパスにおいて、手がけてみたい他分野への進出や、翻訳ではないライティング作業を含む仕事への参入に備え、一般大衆の目に触れることが多い文章を書き、それを第三者に客観的に見てもらう勉強としている。

「関連性」について

違う分野といっても、オーバーラップする部分は結構出てくる。プレスリリースなどのマーケティング資料の中には、必然的に最新技術とリンクする部分が存在する。特に、新しい商品やテクノロジーの名前は日々生まれてくるため、知るチャンスにもなる。コスパは低いが、お金をもらって勉強できるのはオイシイ。

 

後で書くが、複数分野にとりあえず対応できることは、時に効いてくる。

 

*2020年度現在、サイトアフィリエイトへの注力のため「特許翻訳」のみを受けている。

2.クライアントでリスク分散

ピラミッド
顧客ピラミッド

 

翻訳会社(エージェント)

登録している翻訳会社は10社以上。そのうち毎月、決まって仕事をいただいているのは2社。1年間で依頼のあったエージェントは昨年の場合6社。翻訳会社(黄色)はとても大切な存在。ピラミッドの最下層に置いたけれど、軽視しているわけではもちろんなく、会社の土台を支えてくれる大きな基盤。

 

特に、大手翻訳会社は、安定して大きな仕事量を回してくれる力を持っており、そのために仕事が途絶えずにいられる。エージェントでも長い付き合いになると、私自身は、コーディネータさんが先輩か直属の上司のように身近に思えるし、頼りにしている。シリーズ案件や指名案件を優先的に回してくださるので、効率も良い。

 

コーディネータ側にとってもツーカーで、発注元のことを分かっている翻訳者に依頼できるのは効率的で安心なのだと思う。何より翻訳会社は、最も大変な営業を肩代わりしてくれるのがありがたい。スケジュール管理も、請求書送付などの経理も、すべて任せられることを考えると、中抜きもある種、当然である。

 

中小の翻訳会社は小回りがきき、丁寧なフィードバックを売りにしているせいか、翻訳者へのフィードバックがためになる。自分と相性の合う優良なエージェントを見つけておくことも必須である。

 

しかしながら、単価(レート)に関しては、低空飛行であり、大きなアップは望めない。同業者らや中の人へのリサーチから知る限り、上限はほぼ固定されている。それを超えるスーパーな実力を兼ね備えていないことは自認しているので、今の受注レートは自分にとっては適正価格と感じる。

*まだ参入まもない人や、限られた時間しか投入できない人などは、エージェントを通じてのお仕事で十分な仕事量と収入はまかなえるはず。

もうちょっと頑張ってみたいなという人は次へ。

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直受けクライアント

したがって、単価上昇を目指すには、エージェントを通さない直受けクライアント(オレンジ色)の存在が欠かせない。価格は1.2~1.5倍ほど。

 

大手事務所や大手メーカーは、参入のハードルが高く、コスト意識も徹底しているため、私は中小、できれば小のクライアントを探す。このあたりのことは「フリーランス翻訳者って意外とオイシイんじゃない?」「その商品、「だれに」売り込みたいの?-ランチェスターの法則 」で少し触れた。

 

「町の電器屋さん」商法で、エージェントに依頼するほど定期的に仕事は発生しないし、細かなオーダーも対応して欲しい、必要であれば打ち合わせに来て欲しい、というリクエストを受けつける。さほど仕事量は発生せず、繁忙期を除けば数ヶ月に1回だったりするが、年間で考えればある程度のボリュームは達成できている。

 

くわえて、この程度の頻度が逆にありがたい。固定案件もこのカテゴリに含める。

VIP客

VIPクライアント(赤色)は、こちらの言い値がほぼ通ったエージェントの2倍超の価格のお客様。このVIP客に巡り会うには、やはり紹介や口コミなどの人脈を通すしかない。ものすごく儲かっている会社や、翻訳業界のことにあまり詳しくない方々がここに含まれる。

 

だから、同業者だけでなく、サムライ(士)業全般、金融業、サービス業などの、顧客が多い、あるいは顔が広い異業種の知り合いもおろそかにしない。

 

おろそかにしないとは、クレクレするのではなく、GIVEの姿勢を持つことだ。信頼がおける相手ということを前提として、積極的にお金を落とすし、他人に紹介もする。TAKEは後から、おそらくずっと後からやってくる。依頼が来れば、どんなに忙しかろうが最優先とする。どの商売でも同じ。お客様はすべて平等ではなく、超優良顧客は特別の扱いをする。だからこそVIPで居続けてくれる。分野を広げておくと、ここで効いてくる。

 

おかんおかん

スケジュール管理が煩雑すぎやしないか?

バッティングするときはどうする?

 

 

という疑問を寄せられるかもしれない。基本的にはエージェントからの依頼は、6割程度に抑えて、オーバーしたものは指名案件以外は基本断る。大手エージェントであれば、私以外にいくらでも引き受け手がいるので、ある程度の信頼関係が築けていれば、無理に受けるよりは断る方が望ましい。

 

こうして空いた日程は、直受けやVIP客の依頼を待つ。何となくそれで8~9割程度まで埋まってくる。1割程度の余裕を持たせておかないと、体調不良や家族関連などの突発事項の発生が怖い。基本は目いっぱいに仕事を詰め込まないこと。

3.仕事の種類でリスク分散

投資は最重要

我が家は兼業家庭なので、電気/ガス/水道などのインフラ、通信費、自動車関連などは会社経費との関連から私が負担し、残りの生活費はすべて夫が負担している。ありがたいことに、私側の残余収入はほぼすべて、様々な投資に振り分けている。

(先に言ったように、この分配は見直し中)

 

翻訳業は「労働収入」であるため、自由時間を増やすとともに収入を増やすためには「資産収入」の拡大、つまり、お金に働いてもらうしかない。最初に言ったとおり小心者なので、FX等の高リスクなものには手を出さず、大半はローリスクローリターンを基本とする。

 

しかしながら、それでは年利数パーセントの利益しか生まないため、ややハイリスクの新興国株などのその他の投資にも振り分けている。IPOなどの利益の可能性が高いものには積極的に申し込んでいる。

 

運がよければ数年前のチャイナやアベノミクスなどのビッグチャンスに巡り会う。お金をそのまま銀行に置いておくのが一番の損なので、ライフプランの見直しは是非お勧めする。

副業にチャレンジ

ありがたいことに翻訳業は副業と実に相性が良い。しかも、現在は夫がかなり自由に動けるようになったため、幅広い副業のアイデアを取り入れやすい。

 

アフィリエイトも少しずつ収入の柱としていけるように頑張っている。

 

フリーランス翻訳者とアフィリエイトの相性が良い理由を7個挙げてみた!

 

4.家族でリスク分散

3.とかぶるが、家族でリスク分散。専業主婦時代や駆け出しの頃は、お世話になったので、夫が「専業主夫になりたい」といっても全然OK。人間だから、ずっと健康、ずっと無事、という確約はないので、お互い助け合っていければな。私にとってはこれが最大のリスク分散だと考えている。家庭での良き協力関係は、1✖1=2ではなく、3,4またはそれ以上になることを実感している。

 

子供は残念ながらいないが、姉妹や身内ともできる限り助け合っていい関係を保っていきたい。友人知人も、近くの他人も大事だけど一定の距離は保っておきたい。

 

GOD FATHERのように?本当に信頼できるのは、身を削れるのは、家族じゃないかと家族経営で育った私は思う。どうしても立ちゆかなくなったら、私の実家でも彼の実家でもたぶん受け入れてもらえる気がする。実際には無理でも、精神的安定の一助にはなるかも。

最後に

もちろんこれらがすべて常に上手くドライブしているわけではない。リスク分散は、年齢と共に変えていく必要がある。クライアントは常時動き続けるのが鉄則だから、1つ抜ければ1つ補充する必要が出てくる。いいお客様とはどんどん出会いたい。

 

そして、自分の環境と価値観もどんどん変わっていく。「柔軟性」を常に心に置いていたい。

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