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廃業/リタイアのときを考えておこう

中小企業というにはおこがましい一人親方の社長業。

 

おかんおかん

そうだ、一国一城の主になろうっと。

 

と、ある日思い立って法人化してしまったものの、早まったかな?と頭をかすめたことももちろんないではない。

 

けれども、アラフォーで法人なりしてもはやアラフィフ。3年もったら上出来だという中で10年以上黒字経営を続けている。振り返ってみれば、法人にしたことは大正解だった。その理由はまた別の機会に述べたいと思う。

 

その一方で、人生は短いようで長い。長いようで短い。フリーランスの翻訳者の方々も、仕事以外にやりたいことはまだまだあるだろう。リタイアやセミリタイア後のセカンドライフについても今から考えて対策を練っておく必要がある。

 

ただし、サラリーマンであれば退職金をもらえるし、厚生年金もあるが、フリーランスの場合は退職金を当てにできず、国民年金は雀の涙であろう。

 

そのために、友人や、ライフプランニングのプロ、運用/投資の専門家などのアドバイスを聞きつつ、顧問の税理士さんからもいろいろな提案をいただいた。こうして、お金の将来設計を具体的に考える機会が得られたのも、法人成りの利点の1つである。

 

 

そこで、最初に導入したのが「小規模企業共済」である。

小規模企業共済って?

小規模企業共済とは、中小機構(独立行政法人中小企業基盤整備機構)が提供している共済制度である。

 

簡単に言えば、小規模な法人や個人事業主が、廃業を決めたときに、それまで積み立てた分の掛け金に相当する共済金が戻ってくる。

 

つまり、まさに私が願っていたように、この共済金を「退職金」制度の代わりに利用することができるわけだ。

制度の特徴

  1. 共済金は、税法上は「退職所得扱い」または「公的年金等の雑所得扱い」
  2. 事業資金の貸付制度が、担保・保証人不要で利用できる。地震や台風や火災などの災害時にも貸し付けが受けられる。
  3. 廃業時、退職時に共済金が受け取り可能。一括・分割・併用を選択
  4. 掛け金は毎月1000~70000円の範囲で、全額所得控除

加入資格

  1. 建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社の役員
  2. 商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社の役員
  3. 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員や常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員
  4. 常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
  5. 常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員
  6. 上記1、2に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)

 

個人事業主の翻訳者も法人成りした翻訳者も加入できる。

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翻訳者にとってのメリット

払いやすい価格

掛け金は、500円刻みで月1,000円~70,000円の間で自由に設定することができる。この程度の掛け金ならさほど無理せずに支払えるはずだ。

 

私はMAXの70000円に設定。面倒なので84万円を毎年一括で支払っている(ただし割引なしw)。

節税になる

掛け金は全額経費扱い(個人事業主の場合は所得控除)となり、節税効果はばっちりだ。

 

おかんおかん

積立しようと思っても、ついつい使っちゃう。

そんな人でも知らず知らずのうちに貯金できてしまうという技ね。

退職金でお得

こうして毎年節税できていても、退職金代わりに解約するときに税金がどかんとかかるのでは?税金の先送りになるだけ?と思うのは間違い。

 

受け取る解約手当金は、「事業所得」ではなく「退職所得」として扱われる。退職金は仕事を離れた後の生活を支える大切な資金として、税金が「事業所得」に比べて大幅に低く抑えられている。リタイア時に問題となる出口戦略にも有効だ。

 

 

本来ならば、この他にも資金繰りに困ったときの「資金調達」の手段としても利用できるが、翻訳者の場合は仕入れなどを必要としないため、資金繰りに困るという事態はあまり起こらないと思うので割愛。

 

翻訳者にとってのデメリット

元本割れリスク

これが最大のデメリットだろう。

 

HPでも説明されているように、掛金納付月数が240ヵ月(20年)未満の場合は元本割れとなる。

 

20年間!長すぎると思われるだろうが、上記の節税効果が大きいため、この元本割れ金額を上回る。それでも、数年で解約してしまうような場合は損をすることになるため、最初に掛け金などはじっくり検討しておこう。

受け取り時の課税

受け取り時に一気に税負担が増える。しかしながら、上で述べたように「退職所得」のメリットを享受することができるので、デメリットとは言い切れないかも。

最後に

このように、「小規模企業共済」は、フリーランス翻訳者の退職金つくりのために有効な手段の1つだ。

 

ただ、デメリットであげた元本割れリスクもある。将来もフリーランスとして頑張っていくかどうか自分に問い直すことが必要かもしれない。

 

おかんおかん

といっても、先がどうなるなんて分からないものね。

私は退職金をさっさと貯めたいなと思ったから加入したよ。

 

コチラ↓の記事も合わせてどうぞ。

フリーランスだって退職金欲しいよね(II)-経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)

 

 

 

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